先日、米ブッシュ大統領のイラク戦争派遣に関する演説があって、これに朝日新聞がかみついた。
ブッシュ発言の要旨は
「かつて、アメリカは狂気の戦争マシーンのような日本と戦い、ちゃんと民主化したじゃないか。日本国民は自由を取り戻し、日本はアメリカのもっとも重要な同盟国だ。戦争前に、そんなことを想像したかい?僕たちは、またイラクで、同じことをやろうとしているのさ。独裁者を打倒し、新憲法をつくり、民主主義を根付かせるんだ」
というもの。
ブッシュ発言の要旨は
「かつて、アメリカは狂気の戦争マシーンのような日本と戦い、ちゃんと民主化したじゃないか。日本国民は自由を取り戻し、日本はアメリカのもっとも重要な同盟国だ。戦争前に、そんなことを想像したかい?僕たちは、またイラクで、同じことをやろうとしているのさ。独裁者を打倒し、新憲法をつくり、民主主義を根付かせるんだ」
というもの。
これに対する朝日新聞の批判は
「日本は、戦争前の一時期、ちょいと暴走しただけで、もともと明治大正から民主主義はあった。日本は決してファシスト独裁国家だったとは言えない。今のイラクとは状況が違う」
というもの。
「日本は、戦争前の一時期、ちょいと暴走しただけで、もともと明治大正から民主主義はあった。日本は決してファシスト独裁国家だったとは言えない。今のイラクとは状況が違う」
というもの。
で。
本書の著者は、元朝日新聞記者である。
それがいきなり「大東亜戦争」のタイトルである。前書きの説明だが、著者は、幼少時に戦争を体験しており、その頃の呼称が「大東亜戦争」であり、あとでアメリカが決めた呼称をあえて使わないと説明する。
胸がワクワクしてくるような前書きだなあ(笑)
本書の著者は、元朝日新聞記者である。
それがいきなり「大東亜戦争」のタイトルである。前書きの説明だが、著者は、幼少時に戦争を体験しており、その頃の呼称が「大東亜戦争」であり、あとでアメリカが決めた呼称をあえて使わないと説明する。
胸がワクワクしてくるような前書きだなあ(笑)
本書で著者が主に糾弾するのは、原爆投下である。既に勝負が見えた戦争に、ただ「実験」のために広島、長崎(最初は小倉目標だった)に原爆投下した責任はどうなっているのだ、と非難する。
これは、説得力がある。
これは、説得力がある。
その上で、さらにアメリカの占領政策にまで踏み込む。アメリカがもたらしてくれた民主主義や人権は、たしかに良いものだったかもしれない。しかし、その方法は、やっぱり「押しつけ」じゃないのか?「自由」をもたらすのに暴力で「強制」するのは矛盾してやしないか?
評価は☆☆。
いやあ、読んでてハラハラした(苦笑)。この主張だと、右翼とかなり接近していることは、一読瞭然なのである。さすがに退職後じゃないと、この本は書けなかったのだろうなぁ。
あと一歩踏み込むと「日本国憲法批判」なのだが、実はかなりスレスレ、というか、もうほとんどそれなのだ。
あと一歩踏み込むと「日本国憲法批判」なのだが、実はかなりスレスレ、というか、もうほとんどそれなのだ。
簡単にいえば「結果が良ければ、過程は多少ごたごたしてもいいじゃないか」と言えば、今のアメリカを批判できない。さりとて「過程が間違っている」と声高にいえば、「そんなことを言ったって、あんたは結果を思う存分享受して言っているだけの話じゃないか。自分さえよければ、あとの人達はどうでもいいのか」という批判を受ける。
というわけで、ただのアメリカ批判本として読むのは読みが浅い。これは「自己矛盾、苦悩の書」だよ。ほら、全編にみなぎる「歯切れの悪さ」。
だけど、これは嫌いじゃないな。こういうのが、本当の「誠実さ」だと思うね。かっこよくないもん。
ちょっとオススメである。うん。
だけど、これは嫌いじゃないな。こういうのが、本当の「誠実さ」だと思うね。かっこよくないもん。
ちょっとオススメである。うん。