Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

決算書がスラスラわかる財務3表一体理解法

「決算書がスラスラわかる財務3表一体理解法」國貞克則。

財務3表とは「貸借対照表(B/S)」「損益計算書(P/L)」「キャッシュフロー計算書」の3表のことである。
私が財務を勉強をした時代、キャッシュフロー計算書はなかった。ちょっと勉強、というつもりで読んだ。わかったのは、キャッシュフロー計算書は、昔、B/Sをもとに作成していた「資金移動表」とほとんど同じであるということだった。今は、自分の手で作らなくても、会社が作って公表してくれる。なぁんだ、という感じである。直接法でなくても良いのなら、自分でも作成できるだろう。

本書は、自分で架空会社を創業したと考えて、財務3表を作成していく「財務3表一体理解法」が特徴である。説明としては丁寧でわかりやすい。

評価は☆。財務の入門書としてはまずまずではないかな。

ただ、経営サイドで考えると、財務会計だけでは心許ないので、管理会計が必要である。管理会計については「損益分岐点分析」が有名なのだけど、実は上場企業の役員クラスでも、意外と財務や管理会計に弱い人が多いのである。役員会で大まじめに「我が社の利益率は3%しかありません。ここで、経費を300万円使うことは、売上にすれば一億近いことになるんですぞ」などと主張している。本書にも、同じことが書いてある。限界利益率をわかっている者にとっては、場合によっては思わず吹き出す話である。

だから、この本だけで、財務がわかったつもりになると、思わぬ恥をかくのじゃないかな。「深く知る」というレベルの話ではなくて「結果を見る」ことと「仮説を組み立てる」ことが、実は人間のアタマの中では意外に難しい、うまく結びついていないということなんだなぁ。

ま、実際の経営となると。「わかっちゃいるけど」が、まず99%なんだよねぇ。ま、愚痴を言っても始まりませんが。。。