Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

人道支援

私は、北朝鮮については、人道支援を行うべきであると考えるようになった。「なんだ、とうとうsingleは変節したのか」とご批判はあるものと思う(苦笑)。それはもっともである。
何故、そのように考えるに至ったか。自分の整理のために書き付けておきたい。

まず、申すまでもないが、北と我が国の間には「拉致問題」がある。これは絶対に許せないことだ。その上、核兵器(出来損ないくさいと思うが)を開発し、ミサイルをぶっぱなす。剣呑きわまりない。その上、覚醒剤の密輸、偽札の印刷をやりたい放題。であるから、こんなもの「国」という名にすら値せず、国交回復などとんでもないことであると考えている。国交とは、相手がまともな国の場合にすることである。

しかしながら、よくよく考えてみれば、北朝鮮がこのような出来損ない国家で、金正日が救いがたい独裁者であることは、我が国にとっては利があることである。

ここで、中国との問題を比較して考えてみる。
中国の経済発展はすさまじく、今やはるかに我が国を上回る外貨準備をもって米国債を買いあさり、米国に多大な影響を与えるに至った。人は中国の発展をもてはやすが、さて、その原動力はなんであろうか?
安くて膨大な労働力という。しかしながら、人件費が安いだけの国は、地球上にいくつもあるではないか。
また、巨大な人口という。しかし、実際には、経済発展前、その人口は中国の悩みのタネであったし、今でも中国国内の格差を生む大きな要因である。良いことばかりではない。
小平の改革開放政策という。しかし、資本主義というなら、世に資本主義国は、それこそ掃いて捨てるだけある。
資源はどうか。中国は、実は資源は少なく、日本と同じ加工貿易でなければ食っていかれない。
農業はどうか。土地は広大だが、水利が悪い上に、森林伐採のため禿げ山が多く、地味がよくない。

冷静に考えてみると、人件費が安くて無資源で資本主義体制の国はいくらでもあり、中国の発展の説明にはならない。
ただひとつ。中国は日本の経済支援があった。道路、空港、発電所、製鉄所といったインフラが、巨額の日本からの経済支援で整備された。これぞ、中国発展の最大の要因である。中国の最大の資源は、日本との歴史問題であり、経済支援を日本から引っ張れることであった。

その結果、どうなったか。日本国内では「格差問題」がかまびすしいが、それが政権の責任であると宣伝されている。しかし、経済構造をみれば、地方を中心とした農業及び製造業下請けが、いずれも国際競争に陥ったこと(グローバリズム)が真の原因であることは明白である。簡単にいえば、日本の農民は中国の農民と競争しているのであり、日本の地方の製造業下請けは中国に敗れ去った。故に、地方の経済地盤が沈下しているのである。これは、総理大臣の首をすげ替えても治るわけがない。自明の理である。

さて、巨額の経済支援は、当然、税金でなされたことである。日本の地方の立場になって考えると、自らのカネを出して、自分たちのライバルを育て、そのために没落したのである。

問題は、我が国の地方住民のために、中国の民だけでなく北朝鮮の民まで育てるつもりか、ということである。北朝鮮には、希少鉱物資源があると言われているが、資源とは金属鉱床のことではなく、採掘技術と輸送インフラと市場がそろわなければ「資源」ではない。だから、今の北朝鮮がロシアのような資源大国になることはない。第二の中国になるばかりである。

それを防ぐにはどうすればいいか。
幸いに、金政権は無能である。金政権が存続すれば、経済振興は出来ないだろう。人民を弾圧しているので、大量の難民発生もない。ただ国内で餓死者がでるだけである。我が国には、いささかも被害がない。
こんな良い政権が崩壊しては困るのではないか。
しかし、本格的に国交回復などしたら、また巨額の経済支援をする羽目になるかもしれない。それも困る。今の金政権であれば、国交回復できない理由はなんとでもつけられる。

ゆえに、金政権が崩壊しない程度に、はした金をくれてやるのが、もっとも賢明な策になるではないか。私が、人道支援をすべきだと考える理由である。