Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

よいお年を

さて、ようやく仕事納めをして、明日は故郷に帰省します。ブログの更新もできないので、ご挨拶を。
どうか、皆様、よいお年をお迎えください。

さて、今年の後半は、意図して「経済シリーズ」ばかり書いてきました。
その真意を、ちょっとだけ説明して、今年のブログの締めくくりにしたいと思います。

日本を代表する企業であるトヨタを例にとると、とてもわかりやすいですから、そこから始めましょう。
トヨタの半期の発表によると、国外生産で330万台、国内で180万台の自動車を生産しました。これは、合わせて510万台になりますが、米GMと「あわや逆転」の世界2位です。
そして、国内生産のうち、約100万台を輸出して、国内販売は81万台でした。
つまり、日本で販売されるトヨタの自動車は、トヨタの世界生産台数のおよそ16%弱となります。

実は、日本国内では、自動車メーカーが多く、販売競争が激しいので、利益はもっと減ります。だいたい、1割くらいなものじゃないでしょうか。

さて、あなたがトヨタの社長さんだとします。
トヨタの利益は、2兆円に及びます。大金持ちです(笑)。だけど、そのままお金を寝かしておいても、全く何の役にも立たないですね。だから、そのお金を、投資すると考えましょう。
すると、ですよ。「世界で16%しかシェアがない、利益で1割しか貢献しない」日本にお金を使うでしょうか?

日本は、資源がありません。自動車をつくる資源を輸入して、国内で組み立てて、また海外に売りに行きます。「それなら、売るところで、つくっちゃえば手間がはぶけるじゃん」その通りです。その上「貿易摩擦」回避にもなります。
だから、トヨタが利益をあげても、国内への再投資は小さく、相変わらず「格差社会」だと問題になります。「大企業ばかりが太る」というのですね。

少々円高になっても、ほとんど業績には影響がないですね。なぜか。だって、もともと過半を国外でつくっているんです。その上、国内で16%しか商売してないし、残りの部分を外貨建てで輸出しておけば、十分ヘッジできます。

さて、このトヨタを眺めると、こんな疑問がわきます。「なんで、日本に会社があるんだろう?」
言うまでもありませんが、トヨタの仕事は「自動車をつくる」「自動車を売る」の2つです。あとの仕事は「仕方なしにやっている」仕事です。
日本で自動車もつくらなくなっているし、自動車も売れません。とすると、なんでトヨタの社長さんは日本人なんでしょう?

これは、かなり有名な話だと思いますが、トヨタは、たぶん日本人でない人が、やがて社長さんになるでしょう。そうなると、そもそも日本に本社を置く意味もないでしょう。
会社が税金を払う国を変えるだけのことですからね。便利なほうがいいでしょう。

こんなふうになったのは、世界が平和で、日本がお金持ちで、あちこちに支援した結果、その国が自動車をつくったり組み立てたりすることができるようになったからです。

テレビでは「世界の平和」のために「途上国支援」が大事だといいます。もっと極端な主張では「日本は戦争で途上国を搾取して豊かになったんだから、支援は当然だ」といいます。それなら、日本の経済がどんどん沈んで格差が拡大するのは「おのぞみの結末」なんです。
「ああ、ねらい通りになってよかった」と言わなくてはいけません。なんで、そう言わないのでしょう?
国は、その会社が(あるいは個人が)その国にあるから、という理由で、税金を取り立てます。その税金を、当たり前のように「所得の再配分」につかいます。それは当然だというふうになっています。
しかし、今のトヨタが日本にあるのは、もう当然ではありません。日本に税金を払う理由がうすいのです。
実際に、税金以外のお金はすでに国に落ちていきません。だから「格差」ですが、そのうち、税金も落ちなくなります。そういう世の中になるのです。
そうすると、今まで「税金」があることが当然だと思っていた人が困るようになるのです。役人はその代表ですが、そのうち貧困層にもその影響は及ぶでしょう。

ですから、国自身が、税金を払いたくなるような魅力を身につけないといけないのです。そういうことを言うと「産業資本中心の国家をつくろうとする反動」だと、必ず批判を受けます。
しかし、先のトヨタの話は、日本産業の縮図なんです。そんな状況なのに「日本に税金を払うのが当然」だと考えるほうが、よほど「国家主義」の「反動」に思えてならないのです。

回答は難しい。だけど、少なくとも「政治」も「規制」も、なんの役にも立たないし、かえって事態をまずくする可能性が高いことはおわかりいただけるでしょう?
私が「このままだと、国が沈む」というのは、そういう意味です。

とはいえ、くそまじめに論じてばかりいても、何も解決しませんね。一番大事なのは、まず日本人自身が、元気で生き生きすることです。そういう国なら、魅力があって、みんな喜んで税金を払うようになるんです。どこかに払わなくてはいけないんですから。

さて。

今年は、ホントにあまりよいことのない年でした。

来年こそ、明るく、よい年になりますように。
皆様のご幸福とご健康をお祈りします。