Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

なんでもかんでも地方再生

ガソリン税の問題を見ていると、なにがなんやら、正直わからない。

「地方再生」早い話が公共事業復活ばらまき政策で参院選を勝った民主党が「ガソリン税を廃止」で、自民党から「じゃあ、道路財源はどうするんですか?」とやられている。
民主党は「地方切り捨て」と言われるのが怖いので「いや、道路をつくらないとは言っていません」
しかし、自民党は結局「道路利権の温存なんじゃないですか」などとやり返されるわけで、ますますもって混乱する。
これがもしも反対で、
民主党ガソリン税継続=地方の道路を公共事業で建設」
自民党ガソリン税撤廃=財政再建の優先」
であれば、話はずいぶんクリアだろう。
こういうあたりが、日本の政治のたまらなさ、なんだと思う。

で、山本大成さんは
「地方の道路は、実は中央への一層の財貨サービスの集中を招き、かえって格差拡大になるのではないか?」という疑念を提示しておられる。
私も、思い当たるところがある。

高速道路のない私の故郷だが、それでも数年前にバイパスが出来、自動車道とつながった。とたんに、全国資本の大型スーパーが進出。客を奪われた地元資本の流通業は、軒並み傾いてしまったのである。
今では、すっかり「シャッター通り商店街」だし、古くからあった地場スーパーも身売りした。
つまり、高速道路は「税金を使って、東京に地方の材を運ぶパイプを作った」結果になってしまったのである。
もちろん、一方で「工場誘致」ができればいいのだが、実際にはそんな地方進出する会社は今はない。それより、中国やインドに投資したほうが良いからだ。
地元にできたのは、テレマーケティングセンターのような、サービス業で人の集まりにくく定着率の悪いビジネス(平均在籍が3ヶ月)だけであった。

道路が出来たら地方が活性化した時代は、はるかな昔のことではないのか、と思う。田中角栄さんじゃないか、と。あれから、もう何年たつのか。
小渕内閣が「世界一の借金国」に転落しながら大幅な財政出動をして、まったく景気浮揚に役立たなかったというような記憶は、もうすっかり忘れられているらしい。
年寄りになると、いいときのことだけ覚えて、都合の悪いことは忘れるものだからねえ。

結局、地方再生といいつつ「ミニ東京」じゃダメなんだろうと思う。「ミニ東京」って、基本的には「まがい物の東京」「偽造東京」だろう。そんなものを地方にばらまいても、まったくしようがない。

もっと広く考えると、かつての地方都市も良かった時代とは、基本的に後進国(途上国)によって支えられていた、ということなのである。で、彼らが発展して「俺たちにも富を!」と言い出した。そうすると、日本の地方の下駄がはずれた。

してみると、東京は「後進国に富を移転した」ことによって、その見返りを受けて繁栄を維持していると見ることもできるわけである。マクロで見ると、「格差を縮小」したから「ご褒美」があった、ということか。ううむ。。。