Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

私的たばこ増税案

消費税のアップを意識しての話ともれきくが、今やたばこ増税議論が花盛りである。
欧米に比較して日本のたばこは安い、ということも背景にあるだろう。

さて、先日、昼食を買い求めにコンビニに行った。
そうしたら、おじいさんが、たばこを買い求めている。自動販売機にタスポなるものが必要となったが、そんなことはおじいさんには分からない。ただ、楽しみにしているたばこが買えなくなった。コンビニなら、めんどくさい手続きがいらないからだろう。
実際、コンビニはタスポ神風のおかげで儲かっているらしい。

しかし、おじいさんの後ろ姿を見ながら思った。あのおじいさんの楽しみは、たばこであろう。タスポなどというワケのわからんもののおかげで、楽しみを妨げられている。
その上、今度は大幅値上げとなる。
年寄りの楽しみを奪うことは、やはり感心しない。

とはいいつつ、たばこ値上げは、逼迫する我が国財政にとって、かなりの魅力であるだろう。

そこで、私は提案したい。
わざと「抜け道のある増税案」を出すのである。

そもそも、法律というものは、抜け道があって当たり前である。まったく抜け道のない法律をつくると、それを守るコストも高くつくから。適当に、ごまかせる余地をつくる。
その「余地」を、「きざみたばこ」にしてはどうだろうか?

いわゆる「紙巻きたばこ」シガレットは、もともと米軍が発祥であったはずだ。戦地で、のんびりとたばこ巻くわけにもいかないから、あらかじめ紙巻きをして、ジッポのライターでいつでもすえるようにした。
これが便利すぎて、あちこちで「ポイ捨て」「歩きたばこ」などのマナー違反にもつながっていると思う。
しかし、自宅でのんびりとたばこを楽しんで、別に悪い理由はないはずだ。

だから、紙巻きたばこは値上げするが、きざみたばこを据え置き、または逆に値下げするのである。
すると、年金暮らしのおじいさんは、安いきざみたばこを買ってきて、キセルに自分で詰めて、さて一服、となる。風情のある光景だし、喫煙という習慣はもともと文化のもので、日本古来の文化を取り戻すことにもなるだろう。

忙しいビジネスマンは、そんなことは無理だから、自然と高い紙巻きとなる。これは、やむを得ない。しかし、確実にポイ捨てなどは減るだろう。

きざみたばこは、自動販売機にも載っていないから、コンビニや昔ながらのたばこやさん、キオスクで売ってもらう。年寄りは、人とのコミュニケーションが大事だ。黙って機械相手に買い物するよりいいのではないか?

かくして、全体的には増税となり、年寄りの楽しみを守りつつ、機械文明にささやかな抵抗をし、喫煙文化を守ることができる。あえて「ざる法」をつくる狙いである。

私も、かつて喫煙者であった。
たばこ好きの気持ちは分からぬではない。なんとか「適当な着地点」になればいい、と思っている。
なにもかもきちんとやる社会は気詰まりだ。
テキトーに、エエカゲンにやる部分もあっていいんじゃないかな。