Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

国際貢献

ダントツのぶっちぎりなソマリアを見ていたら、師匠様がたまたまおいでになったので。

私「ソマリア、さすがですなあ」
師「うむ。もはや、海賊のほうが国家よりも実力が上かもしれぬのう」
私「笑い事でなく、我が国のタンカーも襲われております。自衛隊を出せぬので、海保を出すとか、出さぬとか」
師「海保は、海の警察みたいなもんじゃろ?」
私「はあ、さようで」
師「公海の犯罪を取り締まるのに、自国の警察を出して良いのかのう。それに、うかうかと海賊船がソマリア領海に逃げ込んだらどうじゃ?下手をすれば、ソマリアの植民地化を狙っておる、また軍靴の音が~(笑)という話にもなりかねぬぞ。お前の国の十八番じゃろ」
私「はあ。さようで。しかし、いかにすれば良いのでしょう?海自を派遣するのがスジでしょうが」
師「まあ、憲法上は、国の交戦権は認めぬのじゃが。相手は海賊でソマリア政府ではないからの。国ではないので9条は逃げられるかもしれん。されど憲法前文からすると、問題があるような気がするの」
私「我が国の安全は、他国の人次第です、という世界に例のない野良犬憲法ですからなあ」
師「わはは。誰にでもしっぽをふるわけじゃ(笑)」
私「またまた、そういっていじめないでください。なんぞ、良い考えはありませんかな?」
師「ふむ」
師は、私に向き直った。
師「されば、ワシに一案がある。すなわち、かかるときこそ、日本は国際貢献すべきなのじゃ」
私「おお!師よ、ついに、我が国もそのような決断をしますか!しかし、憲法上の問題がもろもろ」
師「なにを申す。国際貢献に、改憲などはいらぬぞ」
師は、ここでニンマリと笑った。
師「さて、考えてもみよ。ソマリア沖で海賊の跳梁跋扈すること、もはや世界の知る通りである。されば、各国は、いかなる策を講ずるであろうか」
私「は。海軍をもって、自国の艦船を護衛するでありましょう」
師「その通りである。そこで、同じように考えたら、お前の国はどうするであろうか」
私「はあ。その、海自は憲法上の問題がありますゆえ、その、同盟国に、護衛を頼むとか。。。」
師「そうじゃの。しかし、頼まれた側はどうであろうか。いかに軍人とは申せ、他国民のために死の危険を冒すとは、任務とはいえつらいことであろう」
私「それは、たしかに、その通りです」
師「そこで、じゃ。日本は、丸腰でソマリアを通ります、そのように公言するのじゃ」
私「は?!」
師「もちろん、有言実行。その通りにするのじゃ。さすれば、海賊側から考えて、いかなることになるであろう?日本の船を襲えば安全、一方、他国の船には護衛艦がうろついておる、とな」
私「そりゃ、日本の船を襲います。危ない橋は、海賊だって渡るのはイヤです」
師「さようじゃ。すなわち、日本の船に海賊が襲いかかれば、そのぶん、他国の船を襲う海賊は少なくなる道理ではないか」
私「あ。。。それは」
師「さよう。つまり、丸腰でソマリアへ行け。そうすれば、そのぶん他国の船は助かり、立派な国際貢献じゃ。もちろん、憲法上の問題もまったくないではないか」
私「そんな」
師「合理の指し示すところ、一点の疑いもない、これぞ妙案ではないかな」
こういって、師匠はニヤニヤした。
師「まあ、かくのごとき国際貢献をしたから、どれだけ感謝されるかは、知れたものではないがのう。馬鹿にされることは間違いなしじゃが(笑)。人を見て法を説けとの喩えもある。相手の立場になって考えてみない議論などというものは、結局この程度のものなのさ(苦笑)」