Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

腰がひけてる

老師が久々においでになったので、茶など出して雑談をした。

私「ところで、老師。このたびの解散総選挙のことですが」
老「政治向きの生臭い話ならば、新聞やテレビで間に合うじゃろ。ワシに聞くな」
私「いやいや、そうではなく。もっと些末な小市民な視点ですが」
老「そんなにつまらんことなら聞いてやってもよいぞ(笑)」
私「今回は民主党の勝利だと思うのですが、例の子供手当の件です。子供のいない世帯には増税になるという話で」
老「おまえには関係ないわい。子供手当の財源は、扶養控除と配偶者控除の廃止分、それに児童手当も廃止じゃろ。そもそも、扶養すべき配偶者すらいないお前にゃ関係ないわの」
私「ははあ。おっしゃる通りで。不幸中の幸いというか」
老「悔しかったら結婚してみろ。ふふん」
私「しかし、結婚を考えていた人は、控除という経済的な利益はなくなりますね」
老「それはそうじゃの。しかし、それで結婚するかどうか決めるはずもないじゃろうが。ホントに小市民な奴じゃのー」
私「いやいや、その話じゃなくてです。子供手当は、中学生以下の子供がいる家庭ですから、高校生以上の場合はかえって増税という議論があります」
老「うむ、たしかにそうじゃ」
私「もちろん、将来、社会を支える世代ですから、ある程度の補助が必要ですが、、、」
老「そのためには、どこかで痛みを分かち合わねばならんわな」
私「増税やむなし、ですかね」
老「増税ではなく控除の廃止じゃろ。既得権益の廃止と言えば、格好もつくわな。しかし、相変わらず、本質が見えぬ奴じゃ、お前は」
私「は?」
老「そもそも、子供手当は、どうして必要なのじゃろうか?」
私「は?ええと、それは民主党の説明によれば、将来の社会保障は次代を担う子供達にかかっている、からです」
老「その通り。しかし、それならば、じゃ。高校、大学の子供がいる世帯は増税になるのは、ちょっと考えものじゃろうな」
私「まあ。そりゃそうですよね」
老「お前こそ、将来の社会保障のために、大増税になるべきじゃろ(爆笑)」
私「ちょ、ちょっと待ってくださいよ。そう言われるなら、私にだって言い分はありますよ」
老「ふむ」
私「だって、今の老人世帯を、ひいこら言いながら、働いて税金払って支えているのは私らじゃありませんか。そもそも、結婚できなかったから、配偶者控除だってないんだし。他の人に比べたら、遙かに高い税金を払っている。子供がいないから、教育サービスだって受けられない。政府間と私の取引で考えると、私は完全に赤字でしょ」
老「それは、確かに計算すればそうじゃろな」
私「今の老人世代を支えているから将来は支えて欲しい、というのが世代間扶助でしょ。もしも、子供がいないから将来はダメだ、そういう話だったら、今の老人世代を支える義務はないはずですよ。ただ損をしろ、じゃ納得しません。今までの年金だけでも全部返せ」
老「当然、そういう議論になるわな。だから、そこまでは言えなかった、それで扶養控除と配偶者控除の廃止なぞという変な地点に落ち着いたのじゃな」
私「なんとなく、やっつけのニオイがしますね」
老「論理的には、もっと明快な解決法があるのじゃ」
私「お、それは。是非、ご高説をお聞かせください」
老「しからば言おう。もしも、将来の社会保障のために、子供なし家庭に増税することが許されるならばじゃ。子供のあるなしによって、年金額が増減するのもやむを得ない、という結論になりはせんかな?」
私「ははあ。年金確保したけりゃ子供つくれ、じゃなきゃ増税。じゃあ、子供がなければ年金減額でも同じってことですね」
老「そうじゃ。ただ、年金額を調整にしないのは、将来そこまでの資金繰りがつかないので、目先の税金を動かせ、ということじゃ」
私「あ、それならば、ほかに良策が」
老「そうじゃ。気がついたか。つまり、そんなことをしなくても、現在の年金受給者で、子供がいない世帯については、年金額をカットしてしまえばいい。たちまち財源など出来るわ」
私「子供の有無で社会保障が変わるのはやむを得ない、であれば、そういう話が自然です」
老「ところが、そうではない。配偶者控除が廃止されても、年金受給世帯は、公的年金控除や老年者控除で負担は軽減、としておる」
私「ちょっと待ってくださいよ。それじゃあ、同じ子供なし家庭であっても、現役は増税、その親は据え置き、じゃないですか」
老「そうじゃ。現役は、将来も支え、今の高齢者も支えろ、ということじゃよ」
私「そりゃひどい」
老「本質的な問題は、世代間バランスが悪すぎることじゃ。社会保障88兆円のうち、7割が高齢者で、児童福祉が4%、のこりが貧困その他。少子化対策のへそが茶を沸かすわ」
私「雀の涙とはこのことですね」
老「そうじゃろ。あまりに、世代間バランスが悪いので、後期高齢者医療制度で本人に1割負担をお願いしたら、コイズミ改悪だと大合唱、福田内閣は倒れてしまったわけじゃ」
私「ジジババ敵にしちゃ、政治家もオシマイですなー。一国の総理大臣がもたないんですからね」
老「はっきり言えば、民主党にしたって、この腰の引け具合じゃから、つまるところ現役いじめの構造に変わりはないのじゃ。すでに先は見えたわな」