Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

第一生命上場

第一生命が、生命保険会社としては初めて上場し、たくさんの保険契約者が株主さんになられたようです。
久々に証券市場では明るい話題のようですね。多くの株主様には、おめでとうございます。

しかしながら、私のわずかな経験から、ちょっと懸念を申し上げます。
「市場の声を経営に生かす」といえば聞こえはよいのですが、株主さんと経営者は違う点があります。
たとえば、極端な例ですが、デイトレさんを考えます。
彼らも株主さんですが、彼が株主であるのは、3日とか1日とか、午前株主で後場で売り、というケースだってあるんです。しかし、これらもすべて「市場の声」として、株価に反映されております。
では、経営陣はどうでしょうか?
3日経営とか、午前社長で午後他人、などがあるでしょうか?

株主重視経営といいますが、それは資本を「お金」でみた場合はそうなのですが、しかし「時間」は無視しております。もっといいますと、未来の期待価値は、現在株価に織り込まれることに理論上はなっております。
しかしながら、株主は未来をすべて現在の売買に反映することができますが、経営陣は経営の未来を織り込むことはできません。
株主と経営陣は、資本について「お金」では一致しておりますが、「時間」では一致しておりません。

そして、唯一指摘しておきますが、失ったお金は取り戻せますが、時間は取り戻すことができません。
資本財として時間は無二の価値を持っています。その価値は、お金をある意味で、超えていきます。
お金があれば時間を短縮できる、つまり時間を買えると人は言います。それは嘘です。なぜならば、その時間は常に現在の取引でしかないからです。未来のお金は、時間と引き替えにしたもののように見えますが、実はそうではありません。過去のお金が変えられないように、未来のお金を変えるのは、未来への行動そのものであって、それはお金とは別のものなのです。未来を買ったように見えるお金は、やっぱり現在にしか存在しておりません。

上場した経営陣は、いやでも株価と向き合わなくてはなりません。ですから、ついつい株価を上げるために経営するようになってしまいます。それは資本の論理としては正しいのです。
しかし、時間を考えるとどうでしょうか?
今の株価を上げるよりも、さらに正しい経営判断は存在すると思います。
未来にわたって、価値を提供しつづけることしか、企業は存続発展できません。

ほんとに余計な話で老婆心ですが、強い心をもって経営されることを望みます。