Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

どちらも一理

このたびの大震災を受けて、石原都知事が「花見は自粛」と言ったとかいうので、物議を醸しているようだ。

石原都知事の発言は、花見を自粛しようと言ったわけではなく、こういう時に酒を飲んでどんちゃん騒ぎをすべきでない、ということである。
それは、大いに理のあることであるように思う。
こんな時に、酒を飲んでバカ騒ぎなど。とんでもないと、やはり思う。

しかし、批判派の「そんなになんでもかんでも自粛したら、経済も萎縮してしまう。」「知事の立場の人が言うべきでない」という意見も、あながち見当外れでもないように思われる。

このたびの震災の経済への打撃は当然深刻で、被災地の生産拠点だけではない。首都圏でも、特に私のように設備投資関係の仕事をしていると、4月からの案件が延期になった等の影響は大きいと思う。正直、零細業者にとってはつらい。これ以上、個人消費が冷え込むとどうなるのだろうか?という不安はぬぐえない。
ただ、被災地の企業の苦難を思えば、そうは言っておられぬわけで、ここは耐えていこうと思うだけのことである。ホンネでいえば「自粛はやむをえないけど、なんでもかんでも自粛では干上がってしまう」と思っている人も、また相当いるものと思う。
そこでこの石原知事の発言は、当然ながら「命令」でも「要請」とも言えないものだと思うが、知事という立場にある人の発言として、そこまで言うのはどうなの?という反発があると思われる。

だから、正直なところ、私は石原知事のこの発言について「そりゃもっともだ」と思うし、一方の反対派の「いや、そこまで締めちゃいかんでしょ」にも小さく頷いてしまうのだ。(ただ、大声ではいえません)

ある人が、震災だからといって自粛ばかりしていては、経済も減速し、復興資金も不足する道理である、大いにやるべしと宣言して高級ワインをあけて、大批判を浴びたとの記事を読んだ。
この人の言っている道理は正しいと思うが、その行動に違和感を持つ感情は納得できる。
そこまで、私は割り切って物事を考えられない性質なのですなあ。

私は、こういう問題にも、どっちと白黒つけられず、白には「うんうん、そうだよねえ」といいつつ、黒にも「おお、その道理はあるよねえ」と。「で、お前は」と言われて右往左往する。

あの震災の日から、どうも右往左往ばかりしているような気がする。

情けないことである。