Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

ますます先がみえない

みんな慣れっこになっているのか、あまりマスコミも騒がないようであるが、福島第一原発のニュースは悪くなる一方である。
東電は、嫌々発表したらしいが、1号機の内部は蒸気が充満しており、なんと4000ミリシーベルト毎時である。

おいおい、の数字である。
シーベルトというのは、放射線量の目安で人間が「いっちょあがり」の線量が1シーベルト、と定められている。この数字は、さすがに数々の不幸なデータを経て、まず確立しているのだな。
今年の流行語大賞でいえば「ただちに健康に被害がある」のが1シーベルト、である。もしも健康被害がなかったら、それは1シーベルトではないわけで。

で、4000ミリシーベルト、つまり4シーベルト。15分で「いっちょあがり」なので、、、いやはや、すさまじい数字である。
というか、これで1号機内で、果たして作業ができるのか?ということになる。もちろんムリなので、なんとか線量を下げる工作をするしかないわけだ。
また工程が遅延するわけだ。いったい、いつまでかかるのやら、東電自体にもわからないのではないか、と思う。

昨日の発表では、3月12日に既に周囲でテルル132が検出されていたのだという。ベントの前だそうである。
テルル132は「出てはいけない物質」であるから、これがベント以前に出てたというのは、その時点で配管が破れていたか、格納容器に穴が開いていたことになる。つまりは、水素爆発以前に「お漏らし」が出ていたわけですなあ。

プルトニウムまで漏れているし、東電自体もメルトダウンを認めているが、圧力容器だけでなく格納容器も貫通している可能性をIAEAへの報告書に記載したそうだ。
チャイナシンドロームの手前である。もちろん、可能性に過ぎないが、もしもホントなら、一部が「もろだし」になっていることになる。
そうなると、こりゃもうちょっとやそっとの話ではないのである。

事故原発の処理は2種類で、つまり今まで2種類しか処理がない。
1はチェルノブイリ型。燃料をどうにもできないので、もはや原子炉ごと石棺で覆いましょう、という奴である。気が滅入る光景であるよなあ。
2はスリーマイル型。燃料を取り出すことに成功した場合は、その燃料が冷えるまで、ずうっと冷やし続けるのである。何年がかりだけどね。。。石棺を免れるだけ、マシなのだけど。

石棺になってしまうと、もう原子炉周辺については「帰れない」ということになる。
永劫の立ち入り禁止区域である。

このような状況だけど。
節電も大変なので、さっさと原子炉を動かせという意見もあるし、私も、いきなり全停止は難しいと思うのだ。
代替電源もさることながら、廃炉技術もコストもまだまだ未確定の要素が多すぎ、捨てるに捨てられないし、動かしてないと技術もなくなってしまう。そういうわけにもいかないのである。
ただ、この事態のまま、収拾すら出来ないのに、原発推進を唱える勇気はありませんなあ。

思うに、今の軽水炉一辺倒のアーキテクチャも、再検討する必要があるのではないか。
支那は、これから金属溶融塩炉にシフトするらしい。
技術的にはシンプルなものらしいし、大事故になりにくい性質を持つという。
何よりも、これから100基以上の建設を計画しているのだから(!)構造が単純なぶん、コストが安くつくのは魅力なのだろう。
ただし、本当に支那が100基の原発を動かしたら、ウラン価格は暴騰し、化石燃料のほうが遙かに安くつく、というオチもあるでしょうなあ。
ウラン自体、それほど潤沢な地下資源じゃないのですから。

日本だって、支那にならって金属溶融塩炉もあるし、重水炉にすれば天然ウランが使えるから、もんじゅをつつき回すよりはリスクが少なくて資源問題も軽くなるとか、おまけに核兵器も作りやすいので(苦笑)
太陽光は、いまだ不経済で効率も良くないが、曇天や夜間など需要の少ない時は発電量は少なくて良いのだし、夏の晴天昼間というピーク対策としては補助的に使えないものではない。
ただ、これは既存の発電設備の代替にはできないので、そういう臨時の補助電力である。

次の新しいエネルギー政策は、この機会なので幅広く考えた方が良いのではないか、と思うのである。
そのためにも、早く福島を収束させることが必要なのだが、、、この政権にして、この東電。
当事者だった連中は、次の連立政権でのイス取りに夢中という有様で。
ホントに期待は薄いですなぁ。