Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

様々な終焉

自民党の谷垣総裁の奥様が亡くなられたそうである。
まだお若い。谷垣さんと同じ年である。衷心からお悔やみ申し上げたい。

奥様とは、大学の同窓生で、ともに司法試験を目指した仲であるそうな。
谷垣さんは、夜の付き合いよりも、奥様との食卓を好んでいたのだという。
いかにも谷垣さんらしいし、奥様の人格も伺われるエピソードと思う。

私は、結婚して、家庭に帰らないことを自慢する人は信用しない。
まあ、私に他人をとやかく言う資格はないんですなあ(苦笑)

私は、谷垣さんが嫌いでない。
それどころか、怜悧な判断力は驚異だとすら思う。
婦人を亡くされた谷垣さんは、ここで奮起するか、それとも落胆するか、大きな岐路に立つものと思う。
独身の身で、大いに頑張った小泉さんの例もある。
谷垣さんが志を遂げるなら、ここで踏ん張るほかない。
決してダメな人ではないと思う。自民党を引っ張り、ついでに利権に染まった旧体質の党内派閥を斬る覚悟を見せるべきだろう。敢えて言うが、敵は政治家だけでないぞ。むしろ、選挙の洗礼のない執行部の悪をなんとかするべきだ。少しでもかかわった人なら知っている。
それが出来ないと思えば、静かに一線を引かれても、決して悪いことでない。己の限界を見極めた結果であれば、それは淡々と受け入れても良いことだと思う。

さて、衆議院における内閣不信任案が否決されて、谷垣さんの責任も重大だ、という意見がままある。
馬鹿な話だ。
国会会期末の不信任案提出は、野党の常套手段であって、なにも珍しいモノでない。当たり前の話だ。野党なんだから(笑)
それで、国会が停滞したというのは、与党での分裂騒ぎがあったことが原因である。自民党が、民主党のお家騒ぎの責任を負え、という話がいかに馬鹿なものか、誰にだってわからないはずはないと思うがね。

揚げ句の果てに、元総理が現総理に向かって「欺された、ペテンだ」と言ったとかいわないとか。
そんなの、なおさら知った話じゃないと思うが。

あえて言えば、国会で不信任案に反対票を投じたというのは「信任した」ということである。
自ら信任した首相に対して、いつ辞めるの次は誰だの、言うことのほうが筋違いである。
それなら、不信任に票を投ずるべきであろう。
それが、選良の最低限の義務ではないかね?

その言は信ぜられず、その行いは真がない。
駆け引きで心にもない票を投じ、その駆け引きに破れれば欺されたと言う。
駆け引きせぬならば真を通すべきだし、駆け引きするならば勝てねばならない。
そのいずれも出来ずして、ただ巧言令色に憂き身をやつす。

「まずは政権交代を」というスローガンがあった。
その旗の下に、なんの思想も綱領も共有できぬ面々が集まった。
かくして、政治について、国民は大いに知ることができた。
それは、政治は国民を救いはしないし、何も期待してはならない、自分の身は自分で守るほかないという事実である。原発事故は、端的にそのことを示している。

多くの真実を伝えてくれた民主党政権に、御礼を言わねばならないと思う。
ただ、もうよくわかりました、と言いたい。
この人たちの歴史的な役割は、終わったのだ。