Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

言いなり国家

自衛隊のFX(次期主力戦闘機)はロッキードF35ということになったらしい。
読めていた結論とはいえ、いささかがっかり、である。

この機体は、当初の候補だったF-22ラプターが高価すぎるので、もっと安い機体ということで開発されたもので、今のF-16の後継にあたる。
ところが、開発費が難航し、価格が高騰。1機50億円といわれる。
つまり、40機調達で2000億円である。
ところが、である。さらに日本でのノックダウン生産ということで、その分価格があがるのだそうだ。
で、1機100億円。いきなり倍で、40機だと4000億円。
さらに、日本仕様に改造だの、電装品の交換だの、保守だの交換部品だの、なんだかんだで1兆円ともいわれている。
まあ、1兆円で国が守れるなら、それはそれで良いと思う。

ただ、問題は、この戦闘機が、いまだに「現在開発中」で、2年後の完成予定であることだ。出来上がってもいないものを買うのだから「不見転」である。不見転買いは、するものではないぞ。

候補は3機種であった。
F-35 ライトニング2
F/A-18 スーパーホーネット
ユーロファイター

日本の国情にあっているのは、ユーロファイターという意見もあった。
なにより、国内ノックダウン生産による「割増金」が安かった。

性能順に並べると
F-35
ユーロファイター
F/A-18
となる。
防衛省が「性能重視」と言ったのは、そういうわけである。

ただ、これには背景がある。実は、日本はF-22ラプターを希望していた。1機120億円ともいわれる高価な機体だが、世界最強といわれ、超高性能機である。
アメリカは、これを日本に禁輸した。最先端技術の塊を、日本のようなスパイ天国の国家に売れない、といわれたのである。
仕方がないからF-35となった。しかし、未完成機を受け取れない。
すると、発注だけかけて、2年間(それだって、もっと伸びるかもしれない)を待つことになる。
ユーロファイターならば、すぐに受け取ることができる。

私は、実はこのスキーム自体が「言いなり国家」(属国という)だからだ、と思っている。
性能重視ならば、F-22を買うべきである。
高いとはいえない。現代航空戦の撃墜スコアはひどくて、弱いほうが一方的に落とされてしまうのだ。
ラプターならば、100対1くらいのスコアで、そこらの周辺国の戦闘機に勝てる。
つまり、こちらはほぼ無傷で、一方的に勝利可能なのである。
抑止力と同時に、大事なパイロットの人命だって守れるのである。

普通の国ならば、こういう交渉をする。
まず、アメリカのF-22を売れない、という発表を無視する。FXは、現時点であくまで日本政府の希望である、と表明すればよい。
その上で、機種選定を行い、「1、F-22 2、ユーロファイター」とする。受領は2年後とする。
2年間の間に、米国が方針転換したらF-22を買う。
方針転換なければ、ユーロファイターを買う。

米国にしてみれば、ラプターを売らなければ、大型商談を失う。
日本としては「さあ、アメリカはんの腹ひとつで、うちらはどっちでもよござんす」と言えばよい。
日本がユーロファイターを買うのは、アメリカ政府のせいだ、といえばいいのだ。
アメリカは産業界の声に耐え切れず、必ずF-22を売ったはずである。

なぜ、この程度の交渉ができないのか?
それは、アメリカに「F-22は売らないよ」と言われて「「ははあ、それでは、他を検討します」というからだ。そんなの、耳が遠くて聞こえまへんわ、くらいいえば良いのである。

民主党だからどうだ、などと期待するのが馬鹿なのである。
沖縄基地問題、このFX問題、TPP問題、すべて米国の言いなりである。

属国で悪くはないが、属国ならば属国らしく、せこくてうるさい交渉をするべきだ。
全部言いなりになる奴があるもんか。いくらなんでも、だろう。

口先でいいことばかり並べてた、与党の体たらくの責任は重い。
予想通りとはいえ、ほんとにがっかりである。