Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

失敗した戦争のあと

オバマ大統領が終結宣言を出して、イラク戦争終戦ということになった。
アメリカは疲弊し、フセイン政権は打倒されたものの、イスラム原理主義者によるテロルが根絶されたわけではない。それどころか、中東はいっそう混乱を深めているようにすら見える。
「勝者なき戦争」だというのが、おおかたの総括であろう。
イラク戦争は失敗だった、そういうことになるのではないか。

ただ、この戦争の後には、ずいぶんと考えなければならない点がある。
まず、ブッシュ前大統領が口実にした「大量破壊兵=核兵器」は、現実には存在しなかった。当然に、アメリカは大義なき戦争をやったのだ、という批判がある。
ならば、もしも「大量破壊兵器」が存在していたら、アメリカの開戦は容認されるのであろうか?

いや、そうではなくて、そもそも核大国であるアメリカが核兵器を持つなということ自体が、まったく道理にあわないのだ、という主張もある。だとすれば、それは誰が言えばいいんだろうか?
誰もいえなければ、それは認めたと同じである。
そして、仮に反対意見を述べたところで、国家は、すでに核兵器を持てるようになったのではないか?それがイラク戦争の結果ではないかと思うのである。

実際に、国連安保理はたしかに国連軍の派遣に合意しなかった。しかし、イラクの査察拒否に対しては、最後通告を行っている。
もしも核兵器開発を行っている国があり、核査察を拒否しているとして、その状況において何が可能だろうか?
イラク戦争の失敗の後では、おそらく「深い懸念を表明」して「事態を注視する」ことしかできないだろう。
事実上、もはや核開発カードを誰も拒否できなくなったのではないか。
もちろん、その懸念には、あるいは経済制裁がついてまわるであろう。ただし、核実験が成功してしまえば、結局は戦争できないのだから、「歩み寄り」をせざるを得なくなる。
今の北朝鮮が良い例である。
とんでもないならず者国家であるが、しかし核がある。となれば、核の拡散防止のみかえりに、経済支援をしましょうと言う話しかないのだ。

経済制裁を受ければ、貿易が大きなダメージを受ける。しかし、世界180カ国の中には「そんなの関係ねー」という国だって、そりゃあまた存在するというべきである。
その気になれば開発可能で、かつ、査察の受け入れも拒否できるのである。あとで探して出てこなけりゃ、開戦時の指導者は大批判を食らう。マタ=ハリみたいなスパイがAKBみたいにわんさかいる国でもなければ、真実なんてわかるはずもない。
やったもん勝ち、であろう。

イラク戦争の失敗は、当然の帰結として、世界の核拡散について、重大な影響を及ぼすだろうというのが私の見方である。

これから、国力の小さな国が、核をもって大国に対抗しようとするだろう。
北朝鮮などは、その嚆矢にすぎない。
大国は、しかし、もはや抑止力を持てないだろう。

ところで、私には「核廃絶」に向けた計画がある。
なあに、簡単である。「反物質爆弾」を作ればよいのである。
究極の物理破壊力だ。これさえあれば、核爆弾なんぞ、おもちゃである。
核を廃止するなんて、簡単なことなのだ。
核をはるかに上回る、強力な兵器が出現すればよい。
そのとき、核はもはや無用になるだろうからね(苦笑)