Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

金融の仕組みは全部ロスチャイルドがつくった

「金融の仕組みは全部ロスチャイルドがつくった」安倍芳裕。

抱腹絶倒の「と本」であります(笑)
だけど、たまには、こんな本を読んでくすくす笑うのがいいでしょうね。

陰謀論の基本は
1.「ある」の証明は可能だが「ない」の証明はできない。なので「ない」を前提にする。
2.倒立の論理を使う。つまり結果から考えて、それを証明する論理を考える。
3.前後の矛盾は気にしちゃダメ。
そして「こんなになっちゃたのは○○のせい」と鮮やかに原因指摘しちゃうことである。
複雑な事態よりも、単純な説明のほうがうけるわけであります(笑)

陰謀論というと。
南○大虐殺とか思いつくところですが(笑)有名なところでは「田中上奏文」があります。
戦前、初の陸軍軍人出身の総理大臣だった田中義一が、満州の支配を目指した手順書を書いたという陰謀論で、その後の歴史はこの
田中上奏文」のとおりに動いた、とされているのですね。
もちろん、日本では「偽書」とされているのですが、外国にはいまだに「真実」だと主張する人々がいます。
だって
1.事実、そのとおりに歴史は進んでいるではありませんか!
2.ないという証拠がないじゃありませんか!
3.その陰謀の中心人物は、世界の歴史を左右できるほど邪悪でかつ強力な力があるんだ
という理屈ですので、こりゃ反駁不可能なわけでありますね。

で、みごとに、この本もそのステップを踏んでくれます。
1.初代ロスチャイルドが25条の邪悪な企てをした(証明不能
2.その後の歴史は、そのとおりに進んでいます(^^;
3.ロスチャイルドは、世界経済を自由自在に操れる強大な力があるんです
となっております。

しかし、この理屈でいくと、ロスチャイルド帝国の中心たるリーマンブラザーズが崩壊しちゃうとか、ユーロとドルが共倒れになって富がふっとんじゃうとか、そもそも回収できない投資をする銀行って何よとか、第三世界を搾取してタダ同然の食糧輸出をさせておいたにも関わらず食糧が高騰しちゃう現象とか、まあ説明できない事象が目白押しなわけです。
もちろん、これらはきっと「もっと壮大な企画の布石」であるはずです。何があっても次への布石。天才軍師の言葉と同じですね(爆笑)

もちろん、お決まりの陰謀論のサービスも最後にあります。
911テロはCIAの自作自演だとか、イラク戦争は最終戦争の準備だとか、まあそういうやつですね。
ジャンボジェットがビルに飛び込んでも、あのように崩壊しない、あれは自爆だというのです。
もちろん、ビル内からの爆破でビルを倒壊させたのが真相だというのですが、その際にコンクリートに爆弾を多数仕掛ける工事音に誰も気が付かなかった理由とか、その導火線に誰も気が付かなかった理由などは述べられません。
ロスチャイルドの力をもってすれば、なんでも可能なのですね。
どんだけすげえんだ、ロスチャイルド(笑)

評価はなしで。
おおいにエンジョイするのが良いと思います。

というか。この本を本気にしている人もいるんでしょうねえ。
そのほうが、ロスチャイルドよりも、私にとっては恐ろしい話のように思うわけであります。