Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

パリでメシを食う。

「パリでメシを食う。」川内有緒。

たいへん面白いドキュメンタリーである。
本書の「メシを食う」は、別にグルメごっこをするわけではなくて、いわゆる「職業につく=メシを食う」ことを指している。
つまり、パリに行って、現地で職業を得ている人たちの話である。

登場人物は多士済々である。
三ツ星レストランで修業する女性。
スタイリスト。
恋人をおってパリまできて、恋人とは別れたが、そのまま国連職員として働いている女性。
写真家。
マンガ喫茶を開店した人。
アーティスト(画家)。
花屋さん。
仕立て屋さん。

色々な人が、意識してか無意識化か、パリにやってきて、自活している。

この登場人物たちを見て思うのは、実に個性が強い人が多いことだ。
「自分はこれをしたい!」という願望を強くもっている人ばかりなのである。
外国にいってメシを食う、というのは、きっと強い自分をもっていなければ、不可能なことに違いない。

登場人物たちは、みな、自分の力でメシを食っている。
平凡なサラリーマンとなって、会社づとめをするのも能力のうちであるが、本書に出てくる人たちは、実に個性が強いのである。
メシを食う、のも皆、それなりの「居場所」が世の中にあって、そこにはまる、ということを感じた。

評価は☆☆。
実に面白い本である。

自分の職業を考え直す良いきっかけを与えてくれる良書であると思う。