Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

頑張れセールスマン

ここのところ、イマイチ元気のない三菱自動車さんが、軽自動車の新車発表。
その席上で、三菱自動車の社長さんが「軽を日本だけにおいておくことはない。世界に売っていくことも考える」と発言したそうである。

そうだ!それだよ。
小さな日本市場でせこせこやっても、たかが知れている。

たとえばTPPで、米国の自動車メーカーが、日本の軽自動車規格を「非関税障壁」だとして撤廃を求めるのではないか、と言われている。

これはいかん、軽を守れ、という考えがでてくるのはわかる。
軽自動車は、日本の狭い道路に合っている、メリケンなんぞに食われてたまるか、と思うわけである。

しかし、である。
たとえば、欧州をみよう。
今や流行は「ダウンサイジング」である。
排気量の大きな車が偉い、などという時代錯誤は終わったのである。
フィアットでバカ売れした500は、なんと排気量わずか900CCで、たったの2気筒である。
オートバイのナナハンに毛が生えたクラスのエンジンに、ターボチャージャーを組み合わせて、燃費とトルクを改善し、一クラス上の性能を小さなエンジンで実現している。
結果、CO2排出量も減るし、燃費も改善されるという仕組みである。
性能が同じなら、排気量は小さいほうがいい、そういう時代になっている。

日本では、ハイブリッドが流行っている。
日本の自動車は、混雑した日本の市街を走るから、ストップアンドスタートが多くて、ハイブリッドモーターが有利なのだ。
しかし、欧州では、都市部については自動車の進入規制が多い。
つまり、都市内交通は自動車の市場では、主力ではない。都市内で自動車を必要とするのは、老人、身障者である。(いい大人が、ちょっとそこまで買い物に行くのに、自動車に乗るのはおかしい)
自動車は都市間交通が主力だから、そこそこのエンジンで距離を走り続ける燃費が大事である。

それなら、軽でもいいじゃないか。
今や、日本の軽自動車が高速道路を走れないほど遅い、なとどいうことはない。
排気量わずかに660CC。フィアットよりも、まだ小さい。
ターボチャージャーをつけてトルクを改善したエンジンも、本田などから出てきた。
日本メーカーはしばらくエンジン開発をさぼってきたが、怠けている場合ではない。
気合をいれなおせ!

守るのではない、今や攻めるべきだ。
アメリカが文句をいえないくらい、ワールドワイドな規格として、軽を売ればいいのである。
安くて、小さくて、燃費もいい車は、世界で売れるはずだ。
値段だって、まだ安い。

私は、かつて軽自動車を「日本の茶室の美学」だと書いたことがある。
四畳半の空間で「足る」というミニマリズムの思想は、今の軽自動車に脈々と生きていると思うのである。
今や、世界に日本の「思想」を売るべきだ。
「これで充分で最小限、これで小宇宙として完結」という考え方。
いいじゃないの!

アメリカがくる、アジア諸国がキャッチアップする、ああ守らないと、、、なんてチャチな考えを持つんじゃないよ。
どうせ戦争に負けて、焼け野原の無一文から立ち上げた国ではないか。

世界最高性能だとか、トップクラスの品質とか、そんなものしか売れないと日本の経営者は考え過ぎている。だから、金をかけて高機能な製品をつくり、あげくに誰も買わなくなる。
馬鹿なことはやめたがいい。
売るべきは「思想」なのだ。
日本の考え方なのだ。それが素晴らしいものなのである。

そのためには。
売れ!売れ!売ってこい。
世界をまたにかけて、売るのである。

でかい車がカッコ悪くなり、小さな車が素晴らしい、とみんなが思うようになれば、そのぶんだけ、確実に世界が変わる。
今、頑張らねばならないのは、何よりもセールスマン達なのだ、と私は思うのですなあ。