Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

世の中はむずかしい

某人気アイドルグループが「戦争は困る」と発言しているので、少々話題になっているようだ。
しかし、これは考えてみれば、当たり前のことである。
戦争が大好きで、どんどん徴兵してください、できれば最前線希望なんていう人が、そんなに多いわけがないではないか。
よって、クイズ100人にききました、をやって「あなたは戦争が好きですか、嫌いですか」とやれば、まあだいたい、99人くらいは「きらい」になる(と思う)。

困るのは、それで「ああよかった、やっぱり平和バンザイ」となることである。
つまりですね。
祈願すれば叶う、というのは、その、なんというか、宗教というか(しかし、宗教人だって、そんなに安く見られたら怒る人もいるんではないか)言霊平和主義というか、平和と唱えれば実現するみたいな、お気楽かつ思考停止だと思うのですな。

たとえば、である。
「貧乏が好き」な人が、果たして世の中にいかほどいるか。
まあ、普通は「貧乏は嫌い」であろう。
いや、そうじゃないという人は、貧乏を舐め過ぎである。
あの内田百先生ですら、あまりの貧乏に涙を流したのだぞ。実につらいものである。

では、みんなが「貧乏は嫌い」と思っているから、世の中に貧乏がなくなるか?
見ての通りである。
はっきりいって、常に金は足りないのである。
それを「一部の金持ちのせいだ」として、その一部の金持ちを「資本家」と呼ぶのがマルクス主義で、ユダヤ人と呼ぶのがナチズムで、ロックフェラーだのロスチャイルドだのと呼ぶのが陰謀論である。
では、マルクス主義やナチズムが、貧乏を解決したかね?
彼らは、単に世の中をかく乱しただけで、特に何も解決せず、新たな災厄をまき散らしただけであった。

皆が、貧乏を憎み、忌避しているが、だからといって貧乏はなくならぬ。
それだけで物事は解決しない。
好き嫌いと、それが存在することの問題は、まったく別次元であるからだ。

同じことが戦争にも言えるのである。
皆が、戦争は嫌いだ。
しかし、その好き嫌いと、戦争が起こることは、別次元の問題だ。

ようするに、世の中は、難しい。当然である。

平和と唱えれば、平和がやってくる。
そういう論調が、8月になると、新聞各紙にあふれる。
いったい、どやつが、そのようなタワゴトをぬかしたものであろうか。
最初に、そんなことを言い出したやつが一番わるいではないか。
思ってもどうにもならぬし、現実に世界ではいまだにあちこちで戦争が起きているわけで、それは戦争の好き嫌いと何の関係もないのは、誰だって承知しているはずのことである。

毎夏繰り返される平和論の馬鹿馬鹿しさに、いい加減にげんなりしてしまう私は、どこかおかしいのかねえ。