Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

マゼールさん逝去

指揮者のロリン・マゼールさんが亡くなった。
84歳だった。思ったよりもお年でいらしたので、少々驚いた。

思えば、今年はアバードさんも亡くなった。80歳だったそうである。
このあたりの人たちは、私がクラシック音楽を聞き出した大学時代には「若手の代表」だった。
そうか。逆算すると、30年前。当時ようやく50代。指揮者の世界じゃ「若手」である。

マゼールさんでは、その30年前にテラークで録音した幻想交響曲が気に入って、いったい何度聞いたかわからない。ほかにクリュイタンスやストコフスキーの盤も持っていて、それぞれに味があるけど、やっぱりマゼール盤が一番だ、と思う。
細部をおろそかにしない、緊密な演奏である。

マゼール氏は、小さいころから「天才」の呼び声が高かった。
指揮はすべて暗譜でこなしたが、おそるべき記憶能力を持ち、耳も抜群に良かったらしい。
オーケストラの爆音の中で、誰がどこでミスをしたか、正確に指摘したそうである。
ややもすれば「機械的、優等生的」と揶揄されることも多かったようであるが、私はそうは思わない。
まさに入念な、素晴らしい演奏を数々残した。

そうか。マゼールも死んでしまうような年齢になったのか。
そう思うと、なんとなく、さびしい気持ちがするんですなあ。