Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

謝罪合戦

ネアンデルタール人が、クロマニヨン人(つまり現生人類)に駆逐されたのは、どうやら否定できない話らしい。
そこで、昔読んだ話。星新一だったか?記憶が曖昧である。

世界でただ一人、ネアンデルタール人の生き残りが発見される。
マスコミは大騒ぎ。彼のもとに、続々と取材に駆け付ける。
すると、彼は言葉を発するのだ。
「私の祖先は、あなたがたのために全部殺され、住処を追われ、今では私一人である。心ある人は、私に謝罪してほしい」
さあ、これで世界は蜂の巣をつついたようになる。
なにしろ、世界人類の全員が、加害者の一族なのである。
ローマ法王以下、宗教指導者が駆けつけて謝罪。国家指導者が涙ながらに土下座。
やらない奴は「謝罪と反省が足りない」と批判される。
被害者だ、加害者だと論争していた国もなにも関係ない。なにしろ、全員が加害者なのである。

謝罪した奴は「謝罪しないあいつよりはマシだ」と優越感に浸る。
出遅れた奴は、それを取り戻そうと、ますます過激な謝罪パフォーマンスに走る。
号泣、土下座では生ぬるいというものだ。
なにしろ、痛切に謝罪すればするほど、深く歴史を反省している、道徳的に優れた人間ということになるのだから。。。


というような、こんな話である。

もちろん、戦後の日本の自称知識人にはびこった、ある流行を揶揄しているのである(苦笑)。

あなたも私も虐殺者の子孫。
そう考えるのが、むしろ科学的に正しい態度なのだが、実際にネアンデルタール人が出てきたら、果たして謝罪するのかな?
「過去の過ちは、何度でも謝罪するのが当然」という主張をされている人たちが、一転立場が変わってひいこら謝罪するところを、ニヤニヤしながら見てみたいと思うわけであります。(苦笑)

ま、言うまでもありませんが、そんな手合いほど、実際に自分の問題になった途端に、アタマなど下げないものですよ。ね。