Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

勝っちゃった

まさかのトランプさん勝利。
日本のメディアの報道では、ヒラリー勝利一色でしたので、驚きましたねえ。

トランプさんは、政治経験ゼロ、軍人経験ゼロの初の大統領だそうです。
ということは、共和党のブレーンの支援を受けて政策を決めるでしょうから、意外に手堅い政治をする可能性もありますね。
もう選挙は終わったので、むやみにリップサービスをする必要はないですからね。

外交については、メキシコに万里の長城をつくるとか、日本にもっとカネを出させるとか、勢いの良いことを言ってましたが、なにしろ相手のある話なので、その通りにいくとは思えませんね。

トランプ支持者も、外交なんて関心がないでしょう。
それよりも、経済を立て直してくれ、ということでしょう。

では、トランプの経済政策はどうか?
私は、うまくいかないと思っています。

トランプさんは、アメリカの国内雇用を確保するために、chinaからの輸入品には最大40%の関税をかけるといってますし、輸出産業を振興するため、ドル安政策をとると思われます。
そうすると、どうなるでしょうか?

輸入商品が多い米国で、最大の輸入先であるchina製品に高関税をかければ、さまざまな品物がコスト上昇するでしょう。
ドル安誘導すれば、なおさらです。
そうすると、米国民は、財布の紐を締めるに違いありません。
いわゆるコスト上昇によるプッシュ型のインフレになって、国内の雇用が回復するとか、賃金が上がる前に、消費が冷えると思います。
そこを支えるのは、大規模な財政出動と広範なセイフティネットが必要だと思いますが、赤字に苦しむ米国政府にその余裕はないと思います。
ですから、いくらトランプさんが吠え立てても、景気は回復しないでしょう。
仕方がないので、国内的には「メキシコ人やチャイニーズが悪いのだ」
という理屈を宣伝するしかないでしょう。
誰かを悪者にすれば、とりあえず理屈がつくので落ちつきますのでね(陰謀論がはやる理由です)

かくして、結局、みるべきものもないまま、移民の悪口を並べ立てて終わる政治、という可能性がかなり高いと思います。

このあたりの問題は、米国に限らず先進諸国すべてが直面していますので、トランプさん一人の手腕の問題でなく、言ってみれば資本主義の宿命みたいなものかもしれません。

トランプさんの「意外にまともな」就任演説を聴きながら、実はそんな苦難の道を、ご本人も察しておられるのかな、と感じた次第。

しかし。
お蔵入りになった「いいたい放題の敗戦演説原稿」にどんなセリフが書いてあったのか、実はとっても気になりますね(苦笑)。
安全運転のトランプさんなんか、面白くないですからなあ。