一昨日のことである。浴室でシャワーを浴びようとしたら、カタンと小さな音がして、まったく水が出なくなった。給湯器は異常なく、普通に浴槽に湯をためて入浴はできた。原因を調べると、どうもシャワーの切り替え水栓、いわゆるシャワーと蛇口からの出水を切り替えるレバーの感触がいつもと違う。ははあ、ここだなあと思った。
さっそくシャワーの型番を調べて(KVK-F800)内部の部品を調べると、切り替え水栓だけがちゃんとアマゾンに売っている。翌日配送だ。素晴らしい。
で、昨日。帰宅してからさっそく修理する。
切り替えレバーのフタを細いマイナスドライバーでこじって開けて、取り外す。
切り替え水栓を止めているナットを、モンキーで掴んで、軽く金槌で叩いて固着をとって回しはずす。プライヤーで切り替え水栓を掴んで、やはり金槌で軽く叩いて抜く。新しい切り替え水栓を差し込んで、ナットを締めてもとに戻し、レバーを付けてカバーを戻して出来上がり。全工程所要時間15分ほどか。
最後に、工事の前に閉めておいた水栓をもとに戻して完成。快適なシャワーを楽しんだ。
電気工事士の資格をとったときにウォーターポンププライヤは入手していたし、大きめなモンキーは自転車のヘッドを締めるために買ったものだ。道具は揃っているわけで、事前にYou Tubeで動画を見て手順を学習しておけば、何も問題ない。それにしても、アマゾンといいYou Tubeといい、ほんとに便利な世の中であるなあ。
実は、使った道具の中で、ひどく古い金槌が一番のこだわりのモノである。これは、亡き父の形見の品になってしまった。大工の棟梁だった父が、上京する私にくれたものだ。長年使って柄にヒビが入ってしまったのでビニールテープが巻いてある。たかが金槌というなかれ。プロの大工が使っていた金槌は、そこらのモノとは違う。使ってみると、私のような素人であっても、釘を打って曲がることはない。我が手の延長のごとく、力加減も微妙にコントロールが効くのである。まさに、魔法の金槌である。これを使えば、少々の細工で失敗することはないのだ。
かくして、水道屋の世話にならずに部品代4000円弱でシャワーは直ってしまったわけだが、作業がスムーズに済んだのは、この金槌のおかげなのかもしれない。亡き父の魂がそこにあるような気がするのである。