Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

都知事選インディーズ政見放送を見て

梅雨の時期なので、晴れ間はあっても、いつ降り出すかわからないような、不安定な天候の週末。自転車は、流山あたりまで軽く流して午前中でしまって、あとは自宅でクーラーかけて過ごす。蒸し暑いのは苦手である。

その間、ずっと政見放送を流し見する。

 

大量立候補したNHK党の面々は、皆が同じ原稿を読んでいる。NHK受信料を支払うのは馬鹿らしい、という主張である。小学校中学校の国語の時間で当たった生徒達のように、人によって朗読の技術に大差があり、駄目なやつは終始下を向いてつっかえつっかえ原稿を読むため、何を言っているのかもわからない。おふざけのようではあるが、この主張自体は、傾聴すべき価値がある。問題は、基本的に都知事選とはまったく関係がないことだ。つまり、来る国政選挙への事前準備として都知事選を利用しているわけである。こういう戦術を私は否定しない。コスパ最強だもんなあ。この際なのではっきり言えば、蓮舫候補も石丸候補も、同じ戦略である。都知事選は落選しても、次の国政で勝てばいい。特に、石丸候補ははっきりしているな。

 

その石丸候補の政見放送だが、正直、世間の人が言うほどのキレを感じなかった。この人は、瞬発力系の頭が良い人なのだと思う。討論でとっさに切り返すのはうまいが、自分が発信する側に回るのはイマイチのような気がする。戦う相手がいないと輝かないタイプと見た。

ただ、インディーズたちの自分語りやら承認欲求の塊、あるいは無知からくる誤解や陰謀論に満ちた政見を聞いていると、少なくとも小池、蓮舫、石丸、田母神の各氏の政見は安定感がある。ブラインドで聞いて誰を選ぶか?と言われたら、やっぱりこの4名の中から選ぶな(笑)

 

インディーズ候補の中で「おもしろ系」は数多いたが、まじめな話として私が大いに評価したのはAIメイヤー氏の政見であった。彼は匿名での立候補なのだが

「なぜ、匿名で立候補するのか?普通は、立候補すると会社をやめなければならず、しかも、ほぼ落選する。借金を抱えて、しかも落選後の就職活動すら”危ないやつ”と警戒されて、ままならない。学校では、お前のオヤジはおかしいと子供がいじめられる。」

「こんな状況では、普通の人が立候補しないのが当たり前なので、親が議員で2世でもない限り、立候補するわけがない」「今回、50名を超える立候補者が出て話題になっているが、本来の民主主義を考えたら、1万人くらいが立候補してもいいんじゃないのか。今の制度で、選挙に出るようなおかしな人に、政治をまかせていいのか?」

 

そもそも「普通の人が選挙に出ない=普通でない人が出馬する。そんなおかしなやつに、政治を任せていいんですか」と言い出したのは、現在のインディーズ候補の源流とも言える外山恒一候補だった。彼が政見放送で演じた奇人変人ぶりは、実は「選挙に出馬するなどという、おかしな人」をカリカチュアライズして表現したものだったが、世間はその奇人ぶりの演技だけを面白がってしまったのだった。実は、彼は「民主主義に反対する」と述べていた。

AIメイヤー氏の主張の問題意識はこれと同根で、ただメイヤー氏は「間違っているのは選挙制度で、民主主義ではない」という見解なので、民主主義を機能させるための提言を行っている。これは、ひとつの優れた見識である、と感じた。もちろん、彼自身が言うように「当選する確率はまったくないので、ただ、問題を訴えたい」という動機での出馬である。ユーチューバー再生数狙いの候補者や、承認欲求かたまり系だけでなく、問題提起型というか。インディーズ候補といっても、色々な人がいるのである。

 

インディーズ候補たち。やっぱり、好きなんですよねえ。