Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

出陣

どうやら、小沢元幹事長は、ついに出陣するようである。

小沢氏については、いまだ「政治とカネ」の説明問題がついていない。小沢氏の説明は説明になっていないし、その資金源に関する説明は二転三転している。
「偉いお役人様が調べたのにシロだったのだから、シロなのだ」という理屈は検察審査会では通用しなかった。アッタリマエである。偉い国家権力を持つ与党の、その最大派閥領袖にして幹事長の後ろ暗い事情を、たかが木っ端役人が真面目に調べると思う方がどうかしている。そんな話を信じるのは、国家権力の犬だけである。
(ところが、可笑しいのは、お役人様が調べたからシロなのだといっている人たちが、ほとんど最近まで「反権力」を標榜していた人たちなんだよね。まったくもう。。。)

しかし、私は思うのだが、小沢氏こそ「1回やらせてみろ」の人物だろうと思う。
鳩山=夢想家、菅=幇間という本質が明らかになっている現在、ひょっとしてまともに政治的な展望を持っている唯一の人物かもしれないからである。

「かもしれない」は、ずいぶん危うい話で、実は「ぜんぜん、そんなものない」可能性のほうが高い。よく言われるが、小泉改革はそのほとんどが小沢氏の過去の主張と同じだった。小泉氏がパクッたという噂さえある。
ここで、おのれの理想を追求する人物ならば、敢然小泉氏に協力しただろう。
しかし、小沢氏は、過去の自らの主張を翻し「大きな政府」を主張して、国民新党と連携。
これを見るに、単なる機会主義者であり、菅氏と五十歩百歩のバルカン政治家である可能性が高いとみる。

それでも、多少はマシなのは、小沢氏は与党時代が長く、少なくとも国政と学級会の違いぐらいは理解しているのじゃないか、という期待があるからである。
円高で輸出企業は壊滅だが、このまま放置した場合に、一転円の失望売りとなったら、今度こそ底が抜ける。その時点では、日本企業の死屍累々の後だからである。そうでなく、国債をじゃぶじゃぶ発行し、ドルを買いまくれば、またもや国富をアメリカに売り渡して財政赤字の山をつくったと批判される。
どっちにしても、打てる手は少ないのだ。
こんな時には、虚勢を張りつつ、実はこつこつと足下を改善するしか方法はあるまい。そんなつまらない息苦しさに耐えつつ、嘘を突き通す才覚は、小沢氏がもっともあるように思われる。

個人としては、嘘をつくのは悪である。
しかし、政治家なかんづく国益を守るためには、いけしゃあしゃあと嘘を突き通す、ずぶとい神経が必要だと私は思うのだ。おのれが「いい人」になりたい為に、愚直を自慢してみせた鳩山氏なんざ最低の糞野郎である。
覚悟がないならば、政治家なんぞにならぬがよいと思う。

はっきり言えば、たとえ汚いカネを持っていても、なんら問題はないと思う。
政治を浄化しすぎれば、鳩山氏のように「私は豊かなので、細かいことは知らない」と、月々1500万円のお小遣いがわからぬ人物しか政治家になれないであろう。
それで、はたして、国益にかなう政治家を我々は得ることができるだろうか?

嘘つきで、無神経で、女好きで、料理の味もわからず居酒屋ばかり行っている、そんな人物であっても、国民の役に立てばそれでよい。
そういう意味では、宰相だろうが鍋釜包丁と変わるところはない。ただの道具である。
役にたつか、なまくらか、それだけしか判定基準はない。

小沢氏は、自分がどのような政策を行うのか、菅氏と堂々の論を戦わせるべきだ。
いやしくも政権与党なのだ。国家権力なのだ。
学級会と同じじゃないだろう。
立派な権力闘争を、私は期待する。