Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

その責任はとれません?

内閣不信任案は否決されましたが、ここのところのマスコミの論調には呆れてしまいました。
「永田町では、こんな政争に明け暮れて、いったい被災地はどうなるのでしょう。」と、まぁだいたいそういう意見です。
与野党一緒に、復興へ頑張るべきだ」
なんじゃそりゃ、ではないですか。

言うまでもありませんが、政党政治である限り、与党が行政の実行を担っております。
野党は、与党に対して、その牽制を行い、おかしな方向に行かぬように監視する役割を担っております。
与党に全面的に協力する野党がいたら、それを野党とは申しませぬ。そりゃ大政翼賛会と申します。

言うまでもありませんが、与党は国家権力を持っております。非常の事態に、権力をふるうことができます。
そして、当然に、責任に権限が伴うのであります。

谷垣総裁が主張したように、大震災から既に2ヶ月が経過しております。
自治体は、既に復興計画を次々と策定しております。
ところが、いまだに与党は復興基本法すら成立させておりませぬ。
「復興が遅々として進まない」それはそうです。与党の基本法はお題目ばかり、その財源すらまったく不明で、かつての選挙の公約と同じ「財源なき約束」ではありませぬか。
子ども手当も農家の所得個別保証も高速道路の無料化も、ちょっと無駄を削れば財源なんかいくらでもあると言ったのが与党政権なのですが、その後の有様はご存じのとおり」。
ならば、今度の大震災の復興基本法にはしっかりと財源を示してくれなくては、またぞろ「空手形」では困る、そう言ったのが野党の国会に於ける「与党への牽制と監視」ではないですか。
それとも、そんな問題は素通りして、財源なき復興計画を「国難で一枚岩だ」とシャンシャン賛成したら、マスコミのおっしゃる「与野党協力」になるとでもいうのでしょうか?
まことに馬鹿げた話です。
それどころか、菅総理は「個別の復興計画は、復興構想会議を待って」と言うことです。
野党が「スピード感がない」という批判だって、あながち的外れじゃないでしょう。

このような状況の中、国会の会期末に、野党が不信任案を出すのは当然でしょう。
そもそも、会期末の野党の不信任案は、お約束みたいなものです。
与党は、数があるわけですから、否決すればいいだけではないですか。
こんな騒ぎになってしまったのは、与党の仲間割れが原因で、野党の責任ではないです。当たり前ではないですか。
それを「政争」扱いして、おもしろおかしく報道したのは、まさに「被災地そっちのけで、何をやっているんでしょう」といった、そのマスコミさんです。
それとも、民主党の仲間割れに、自民党が責任を持たなくてはならないのでしょうか?
与党は権力の代わりに責任を負っております。
それとも、民主党が国会で反対を叫ぶのは正当な行為で、自民党がすると「一致協力する気がない」ことになるのでしょうか?
もしもそうであれば、いったい正義の基準とは、何で決まっていくのですか。

与党も、マスコミも、そしてそんなマスコミを信じて与党に投票した選挙民も、甘えるのはもう止したほうが良いと思います。
責任と権限は等価のもの、この責任に耐えられないのであれば、与党の資格もありません。
子どもの駄々同然の選挙公約を信じて投票した選挙民も、やっぱりそんな政府に対して、遅々として進まない復興という責任を取らねばなりません。