Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

どっちつかずの敗北

大阪は、知事選、市長選ともに「維新の会」の圧勝に終わった。
民主、自民が相乗りした候補(なおかつ、公務員の支持もあつい共産党まで肩入れした)候補者は大差で落選となった。
与党は「政党が問われた選挙でない」と、野田内閣初の大型地方選挙の敗北を軽視している。

実は、この結果で考えなければならないのは、与党よりも自民党であろう。

自民党は、明確な旗を立てられないでいる。

維新の会は、ともかく「大阪都構想」という旗を立てた。
対立候補は、その手法が独裁だとして批判したのである。
橋本氏は、あとで「独裁という言葉を使えば、必ず相手陣営のインテリ層支持者は反応すると思った」と語っている。
デマゴーグに踊らされるのは、なにもB層ばかりでない。
対立候補は、言論の世界であれば、もっともらしいだけ勝ちだったかもしれない。
しかし、政治は実際の世界である。
インテリ層(A層、つまり自分は賢いと思っている人達)は、必ず「独裁批判」に食いつく、と橋本氏は読んだ。その結果、批判に終始する選挙戦となり、しょせんマジョリティを制し得ないという作戦だっだ。
「みんなだまされている、自分は真実を知っている」と思い込んでいるA層は、見事に橋本氏の策に落ちたのである。

インテリをだますには、方法がある。
オウムが取った作戦である。
「大衆はだまされている、あなたは賢く特別な人間で、真相を知っている人間だ」といえばよい。
ユダヤ陰謀論だろうが、ロックフェラー陰謀論だろうが、みな同じ。
ころりと引っかかって、信じ込んでしまうのだ。
おかげで、大勢を見失う。
インテリ相手に法廷闘争を繰り返した橋本氏にとっては、出方が読めるのだから、くみしやすい相手であった。

今の選挙は、旗を立てたものが勝ちである。
皆、将来の展望がない不安があるのだから。
現状の批判だけでは勝てないのである。
既成政党の大同団結が敗北したのは、旗を立てられなかったからだ。

自民党は、大いに反省すべきである。
小泉改革は、とにかく「旗を立てた」のである。

しかし、その後、自民党は分裂する。
改革急進派はみんなの党、保守は国民新党だ。
どっちつかずが自民党になってしまった。

どうするのか?
まず、ちゃんと旗を立てないと、次も勝てないだろうと思うのだが。