政府は、福島第一原発の処理水を海洋放出することを決定した。
コレ自体に、驚きはない。
だって、他に方法がないし、タンクをつくる空き地がなくなってきたので、誰にでもわかる結末だった。
もっと簡単に言えば、歴代政権で決めるのが嫌なので、先送りにしてきたのだ。いよいよ先がなくなったのが菅政権だった、というだけの話。まあ、最後にババを引いちゃったのである。
ちなみに、このトリチウムの残った処理水だが、各国の原発でみんな海に流している。なにしろ普通の水とほとんど変わりがないので、見分けがつかない。処理ができないのだから、仕方がないのだ。トリチウム自体は、もともと海洋に存在するものなので、少々増えても大丈夫だろう、というわけだ。
だいたい、てめえのところで濃い奴を垂れ流している隣国がぎゃあぎゃあ文句を言うのは腹が立つ話である。ま、いつものことなのでスルーするけど。
しかし、福島の漁民は納得しないだろう。
科学的に大丈夫(そうだ)、という話と、人が納得するというのは別次元の話なんである。
そこで、こんな話を思い出した。
アメリカのスタンフォード大学で、実験用の原子炉を建設したときの話である。教授会で、工学部の教授が安全性について説明した。実験用のごく小型炉なので、そんなに危険なものではない、深刻な事故の可能性はないと説明したのだ。
しかし、他の学部の教授たちは納得しなかった。「そうは言われても、実際に安全かどうか、わからんではないか」
そこで、その工学部の教授はこういった。
「皆さん、ご安心ください。私達家族が、その原子炉の隣に住みますから」
これで教授一同は納得し、原子炉が建設されたのである。
もちろん、工学部の教授は、そこに一家で引っ越した。
人を説得するというのは、こういうことである。
そこで、私は考えた。
処理水を、東京湾に放出すれば良いのである。
もちろん、この夏、東京湾でお台場でオリンピックのトライアスロンやマラソンスイミングが行われる。
安全性のアピールには、もってこいの場ではないか。
世界に「安全」をアピールできる。
ついでに、競技開始セレモニーで、始球式ならぬ始泳式をやって、東京電力経営陣が全員でばちゃーんと水しぶきをあげ、下手なクロールなど披露すればさらに良い。全国に「安全安心」をPRできる、まさに大チャンスである。
このアイディア、なんとかやってくれないかなー(笑)。