「素晴らしき世界」マイクル・コナリー。
連休だったので、すかさずコナリーを読む。何しろ、外は極寒である。自転車に乗る気も削がれてしまうのだ。
そうなると、お気に入りのCDをかけるかFMを聴くかしながら、好きな小説を読むという自堕落を決め込むことになる。
ロス市警ハリウッド署の深夜担当女性刑事、通称「レイトショー」のレネイ・バラードは見慣れない男が過去の捜査記録を漁っているのに気がつく。
その男は今はサンフェルナンド市警の嘱託刑事のハリー・ボッシュだった。
ボッシュは前作の「汚名」事件で鎮痛剤中毒の女性エリザベスの娘(当時15歳)が殺された未解決事件を調べていたのである。
バラードは、ボッシュにこの捜査を共同でやろうと持ちかける。
二人は当時の職務質問のカードを調べることから始める。職質カードはすべて電子化されていることになっているが、実際には多数の入力漏れがあるのだ。
一方、ボッシュはサンフェルナンド市警でギャング幹部が射殺された事件を調べていたが、そこで引退したギャングの証言にもとづいて銃器の捜査を進めていた。
ところが、その調査の最中に、引退したギャングが殺されてしまう。
引退ギャングの証言があったことを知るものは、ごく限られている。ボッシュは内部で捜査情報が漏洩していると感づく。
やがて、地元出身のある刑事が疑惑を向けられるが、その刑事はボッシュがオフィスがわりに使っていた拘置所あとの牢獄に内部から鍵をかけて、ボッシュの目の前で首吊り自殺を遂げる。
同僚刑事を自死に追いやる結果になったことで、ボッシュは辞職する。
そのとたん、ボッシュはギャング一味に拉致される。ボッシュが邪魔になったギャングが実力行使に出てきたのだった。
絶対絶命の危機に陥ったボッシュを、バラードが現場にかけつけ、応援ヘリを読んで助け出す。
二人は少女殺人事件の被害者が、漂白液の水槽につけられて証拠をすべて拭い去られていたことに着目する。
当時の捜査で近隣の設備はすべて調べられていたが、何もみつからなかった。ボッシュはクルマのヴァンを使ったのではないかと仮説を立てて、その当時のヴァンを追う。
捜査は迷走するが、やがてバラードが漂白剤を大量に使用するヴァンを持っている業者に気がつく。
それは特殊清掃業者だった。警察の鑑識捜査にも詳しい。
バラードは清掃業者のガレージに忍び込むが、そこで犯人と出くわして危機に陥る。
そこにボッシュが駆けつけて、バラードは危機を脱する。
しかし、警官が不法侵入したら、いかに疑惑があろうともクビになる。
そこでボッシュは、自分が犠牲になると言い出す。それが一番良いのだ、と。。。
内容的にこの前読んだ「汚名」の続編である。
レイトショーのヒロイン、バラード刑事が出てきてボッシュとコンビを組むという、読者サービスしまくりの一巻である。
正直ずるい。なんというするいやつだ。
腹が立つから、評価は☆☆だ。ひとつ減らしてやった、ざまあみろ。
以後の展開が気になってしまうのだ。このまま、ボッシュはバラードとコンビを組み続けるのだろうか。
バラードは現職刑事、ボッシュは引退した元刑事ということになるのだが。
気になって仕方がない。
よって、次も読まねばならんのだ。なんという作家だろう。腹が立つ。
このまま、ずっと私のような読者を怒り続けさせて欲しいものである。
そうしてくれれば、腹が立っても書い続けるわけだから。
作家と自分の年令を考えると、どうにか最後まで読めそう、、、なので頑張るしかないなあ(笑)