週末に、母親からのメールが届いた。術後の熱が高く、5日間、集中治療室にいたということ。ようやく一般病棟に移れたものの、いまだ絶食で、起き上がるとめまいと吐き気がするため、歩くこともままならず、トイレも介助してもらっている状態だという。
懸念したとおりになってしまった。
母は、麻酔に弱くて、麻酔が覚める時にいつも気分が悪くなって大騒動になるのである。そういう体質の人がたまにいるのである。自律神経が、麻酔によって大きく攪乱されてしまうのだろう。めまいや吐き気も、自律神経の乱れがなせる業である。
しかしながら、現実的な問題として、腹の中をちょんぎって麻酔なしでおられるものではないので、やむを得ず麻酔を使う。そうすると、気分が悪くなってしまうので、体力を消耗する。80歳の老人には厳しい。「もうだめかと思った」そうである。それでも、ようやく少し回復して、やっとメールをしたというわけだった。
実は、私もこの週末、ひさびさに眩暈に悩まされていた。メニエール症候群が、ちらちらと顔をのぞかせているのである。薬を飲んで、なるべく静かに過ごした。
遠く離れて、親子が眩暈に悩まされているのは不思議な気がする。とはいえ、私は麻酔には強い体質なので、そこまでは遺伝しなかった。
メールをしてくるくらいだから、これから、少しずつ回復をしていくのだろう。母の好きな菜園の仕事ができるくらいまで、なんとか体調を戻してほしい。
還暦のふがいない息子としては、こころから願うばかりなのだ。