明日がいよいよ衆院選の投票日。
とはいっても、今や期日前投票する人が全投票者の三分の一に近いというデータもあるようで、以前ほど「最後のお願い」の重みも減っているか。
それでも、ここまで激戦となれば、そうも言っておられないわけで、朝からこのあたりでも選挙カーが走り回っている。
この選挙カーですが「ただの候補者名の連呼ばかりしやがって。うるさいだけだ」とお怒りの向きもあると聞く。というか、以前の私がそうだった。選挙関連の業務をやるようになってあとで知ったのだが、あれは公職選挙法の定めなのである。
公職選挙法の上で、選挙カーで演説を行うことは禁止されているのだ。ただし、演説会場で停止した選挙カーの上でなら、演台扱いとなって例外になる。走っている選挙カーから流せるのは候補者名と短いキャッチフレーズ等の連呼(繰り返し)だけ、という規定なのだ。
議員になろうという人が、自ら法律違反を行ってはだめなので、もちろん法律どおりに活動をする。したがって、最後のお願いを連呼することになるのである。
調べれば調べるほど、公職選挙法というのはバカバカしく、しかも部外者には理解不能の法律なので、なんでこんなわけの分からない定めをそのままにしておくのだろう?と不思議に思ったことがある。
しかし、よく考えてみれば、この「わけのわからない規定」をクリアして当選した人が議員なのだ。自分を当選させてくれた法律を、そう簡単に変える理由はないのだった。少なくとも、わけのわからない人物が何かを思いついて選挙に挑戦するときのフィルターになっているのは確かなのだ。「部外者」は、選挙活動をしようと思った時点で、まず何らかの規定に違反するようになっている。
実は、政治家の息子が政治家になるという、まさに「政治家村」みたいなことになってしまっている原因の一つに、この公職選挙法の定めがあると思う。「一子相伝」の技が必要な世界だからだ。「部外者」が選挙に挑戦するときは、これらの規定をクリアするために「選挙コンサルタント」を雇う必要があり、この金が結構かかり、そしてその費用は選挙費用になってしまうと、それも公職選挙法の選挙費用の上限にひっかかってくる、、、みたいな仕組みなのである。
だいたい、あの連呼するウグイス嬢が1日1万5千円、、、で、実際にまる一日声を枯らしてやってくれる人をこの金額では雇えない、、、、少なくとも、都心部では無理でしょう。では、どうすればいいのか、、、法に触れない方法があったりするのである。
ま、、、こんな法律も変わらないのだから、政治改革なんて進むはずもないだろう、、、選挙カーの連呼を聞きながら、そんなことを思うのですなあ