Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

うつうつひでお日記


失踪日記」という、おそらく漫画史上に残るだろう名作を書いた、その後の吾妻ひでおの漫画による日記。

吾妻ひでお鬱病なのである。
あれは、病気であって、決して本人が怠けているのではない。どうしようもないのだ。

この漫画の中に、道を歩いていて、突然へんてこりんなお化けにとりつかれ「不安感」だと書いてあるのには共感した。えもいわれぬ「あの感じ」を、実によく表現しているように思う。
しかし、経験がないと、なかなか分かっては貰えないだろうなぁ。

この漫画の中の吾妻ひでおは、ただひたすら朝起きてご飯を食べ、散歩と称して図書館と書店に行き、帰ってきて金になるかどうかわからない漫画を書く。ただ、それだけ。たまに病院に行く。
ああ、それから女子高生好きな吾妻ひでおらしく、ときどき観察してイラストを描いている。ただそれだけ。決してミラーマンではないようだ(笑)

なんとなく「行き場の無さ」が、自分とよく似ていると思った。
私だって、今はありがたいことに、生業のためにせっせと会社に通っている。商売のことでは、しょっちゅう思うようにならないので、有り体に言えば悩んでいる。たいてい、どうにもならない。
ときどき、我知らずため息が出るけど、しかし、それは幸福なのだ。
だって仕事をしていれば、とりあえずは、自分の「行き場の無さ」に直面しなくて済むじゃないか。
最近は、ちょっと落ち着いているから、まあ、それでも調子はいいのだ。なんとかなる。

評価はしません。
この漫画を、評価の対象にしたくない気持ちがあるからだ。同病相憐れむというやつである(笑)。