Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

こんなもんで充分

本当にやっかいな国の近所にあるものだと、つくづく我が国の不運を思わずにいられないのが北○鮮のことである。(伏せ字扱いだ、あんなもん)
核実験に、ミサイル。だだっ子よりもひどく、国連の決議も議長声明もなんのその。6カ国協議も拒否で、みんな呆れているのだが、さりとて意固地しか売り物がないんだから、どうにも対処のしようがない。
「アタマを冷やして、話し合いましょう」と言い続けるほかないわけである。

それはそれとして、最近、私が注目しているのは、人民解放軍の海軍少将、張召忠氏である。
支那の海軍の将官といえば、まず間違いなく北京政府の意向を反映した考えを述べているといわねばならない。張少将は、軍事大学の教官であり、相当戦略に通じた人物であり、北京政府にも重みがあるはずである。
その張少将が、北朝鮮のミサイル問題で、注目すべき発言を2度にわたって行っている。少将自身のブログに述べられているそうであるが、かの国は政治的発言に検閲があるので、それが掲載されていること自体が北京政府の容認と思って良いわけだ。
実に便利な国である(苦笑)

まず、4月1日に「もし、北朝鮮のミサイルが、日本上空を通過する場合、国際法に照らして日本は撃墜する権利がある」と明快に述べたことである。
もちろん、エイプリルフールのネタではない(笑)。
張少将の発言自体は、国際法の解釈として正しいものだが、これをはっきりと書いたということ自体、注目に値すると思う。
さらに続きがあって、再び張少将は、日本に言及した記事を掲載した。「日本の北朝鮮に対する先制攻撃はない」と分析したものだ。
これは、中国国内で、今回の北朝鮮騒動に乗じて日本が「軍事大国化」への道を歩む、というシナリオがもっともらしく流布されているのに対して(我が国の中でも、同じような方々があまたいる由)「そんなはずねーじゃんか」と冷静な意見を述べたもののようである。
・日本には平和憲法があるので、先制攻撃のための法理上の手続きは大変
・同盟国の米国が、これを認めるとは思わない。米国の支援がなくて、日本が単独で開戦するわけがない
・日本の自衛隊には、先制攻撃を行う戦力がない
・日本が戦争になって得るものがない
あまりにも的確な指摘であり、多くの日本人が認めるところだろうと思う。

それだけではなくて、張少将は、日本が戦力強化を目指してきた背景に「中国自身の軍事大国化の影響がある」と率直に書いている。分かっているなら、なんとかして欲しかったですが(苦笑)
希望的観測をすれば、日本海における軍事プレゼンスを考えても、ぼちぼち手を打つべきタイミングだと考えていますよ、というサインも含まれているのかもしれない。
米国駐留艦隊と日本の海自、韓国海軍をまとめて相手するのは馬鹿馬鹿しいことで、侮られない程度の戦力があれば足りるのが現実的なところである。そう考えれば、人民解放軍海軍は、既に充分な域に達している。もともと陸軍主体の軍なのだから。

しかし、革命勢力(笑)のご本尊たる人民解放軍の軍人のほうが、日本国内の左巻きの方々よりも、遙かに日本を信頼しているというのは、なんというか、、、ですなあ(苦笑)
現実の分析能力というやつは、やっぱり本社たる中共の方々のほうが、日本分室よりも優秀なんでしょうかねえ。うむむ。

この発言だけではないのだけど、最近の日中関係も、なんとなく生ぬるい友好の雰囲気が悪くない感じである。熱烈歓迎ではないけれども、しかし、ケンカはしない。
場合によっては呉越同舟。ま、適当にうまくやって、なれあっていきましょうや。そんな雰囲気が横溢していると見える。

理由は、色々あろうと思う。経済的には、かねてから指摘している通り、日米中はずぶずぶの関係になっており、既にお互いを無視してやっていけないことが大きい。

しかしながら、それだけではなく、やはり小泉時代の対立の賜物だろうと思うのである。
日中があれほど鋭く対立したことは、国交回復以来のことだったと思うが、その影響を中共指導部が見逃すはずはなかった。
支那の国内ナショナリズム反日教育の成果で燃え上がり、その矛先は中共指導部にいつ向くか、わからない有様であった。そうかといって、まさか、本当に日本と戦争を始めるわけにはいかないのだ。
それこそ、国ごと消滅しかねないのである。
また、とっくの昔に滅んだと思っていた日本人のナショナリズムも、実に根強かった。表には報道されることが少なかったが、支那製品に関する不買はすさまじく、この無言の抵抗に支那経済は大いに痛めつけられた。
早い話が、中共にとって、日本と対立してマイナスは多く、プラスは何一つなかったのである。
この苦い経験は、今の中共の対日政策に反映している、と思う。

だから、小泉時代は最悪で、愚かな対支那政策だった、などと簡単に言ってはならない。
あの経験が、よく効いているのである。人間と同じで、対立してみて、初めて相手の力量を知るのである。手強いと思えば、やたらケンカはできないものだ。

なにも惚れた男女じゃあるまいし、常に熱愛なんて、あるわけがないじゃないか。
大人同士、それなりのお付き合い、で充分である。そういう意味で、今は悪くないと思うのである。
支那に関しては、しばらくこのままで良いだろう。

それにしても、あのだだっ子には困ったもので。まあ、だだをこねない限り、世界の誰も相手にしないという、どうにもならない事情があるわけだが。。。
どうにも打つ手がありませんなあ。。。はー。