Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

米中激突

「米中激突」陳破空。副題は「戦争か取引か」

本日のNY株価は下落、ご存知の支那における新型コロナウィルスの影響がどこまで広がるか、予測がつかないためである。
すでに死者は80名と発表されているが、注目すべきは逆に治癒者が41名であることで、死者の半分しか治癒していない。
あとの感染者は現在闘病中ということになるわけで、思ったよりも重症を引き起こす可能性があるだろう、ということだ。
つい先日、ようやく貿易交渉の第一弾が妥結して、株価は上がったが、その反動もあって元の木阿弥である。

で、話を新型コロナウィルスから米中貿易交渉に戻そう。
これは、日本でニュースを見ていると、トランプが貿易不均衡を問題にして選挙のために騒ぎ立てている、という構図に見える。
ところが、実際には、米議会では共和党はもちろんだが、民主党支那に対して厳しい態度なのである。オバマ時代はなんだったのか?という感じだ。
なんで、こんなことになったのか?
本書は、その理由の一端を示してくれる。
著者は天安門時代の民主化闘争で投獄され、殺されかけたところを、アメリカに救われ亡命した人である。
ゆえに、中共への恨み骨髄と見て良いので、そのぶんはさっぴく必要がある。
しかし、その経歴から、中共と米国両方の事情に詳しい。

結論を言えば、米国は支那に「愛想尽かしをしようとしている」ということなのである。
もちろん、中共が米国覇権に挑戦しようとしていることに対して、米国が不快感を持っている、ということはある。
しかし、一番大きな要因は「失望」である。
米国は、キッシンジャーの電撃訪中によって国交樹立して以来、一貫して親中的なスタンスをとってきた。
初期は、ソ連に対抗する中共が欲しかったことがある。
しかし、ソ連は崩壊。
それでも、米国は中共に甘かったのである。
それは「豊かになれば、支那民主化するであろう」とずっと思っていたからだ。
米国人の常識では、それが当然のように思っていたのである。

ところが、だ。
現実には、支那は世界2位の強国になったが、相変わらず中共の独裁体制に揺らぎはない。
それどころか、南シナ海チベット、インドと国境接するところすべてで、覇権主義による摩擦を起こしている。
米国が期待した民主化など、1ミリもないのである。
ここにきて、米国もようやく、自分たちの「常識」が通用しない相手である、と悟ったのである。
腰抜けのオバマには(一族に支那人の妻がいて、弟は支那で大儲けしているので)中共に弱腰だった。
しかし、トランプはプーチンとウマがあう。お互い、悪ガキ同士である。
クリミア侵攻問題や選挙介入問題があって、トランプはプーチンに対して表向きは強面だが、実は違う。
なんとか適当なポーズでごまかせないかと考えている。
中露に組まれると、トランプも分が悪い。露は最悪でも中立にしないといけないのだ。
その核心があるから、中共を追い込んでいる。
「戦争か、取引か、どっちでも好きなのを選べ」というわけだ。
日本の安倍首相は、当然トランプの真意を知っている。
国会演説冒頭で台湾を取り上げたのは、中共に対する牽制カードで、米国と歩調を合わせたものである。
もちろん、露のプーチンが日本とコトを構える気がないのは計算に入っている。
となれば、中共はいよいよ追い詰められるのではないか。。。


評価は☆。
まあ、著者の願望が半分の内容なので、そっくりそのまま「中共が崩壊する」などと、安易に信じてはいけない。
今まで、何度、そんなタイトルの本が出版されたことか。お前はノストラダムスか(笑)というわけだ。
しかし、どうも、風向きが微妙に変わり始めたように思う。
中共は、これから、かなり厳しい舵取りになるんではないか。
今回の新型ウィルスも、ひょっとして、そういう微妙な変化のひとつの現れ、かもしれませんなあ。