Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

現状維持プラスアルファ

安倍首相の奇襲解散による総選挙も終わりました。
結果は、自民大勝で、単独過半数を制しました。
もともと、自民党で2/3の議席を持っていたことを考えると、ほぼ「そのまま」維持に成功。(定数削減があったのでプラスアルファ)
逆に考えれば、野党共闘は崩れたのですが、野党勢力自体は「変わらず」とも言えます。減った分を定数削減で考えると、まあ、こんなものかな、と。
これから、民進党立憲民主党と合流するでしょうし(苦笑)
選挙の結果から見る限り、民意は「現状維持」を選んだ、と言えそうです。

なにしろ、北朝鮮が物騒で、いつどうなるか、まったくわからないわけです。
その背後には、どさくさ紛れに尖閣を狙う中共だっています。
この時期に、安全保障をきちんと出来そうな勢力は自民党しかいないわけで、ごく常識的な判断でしょう。

ただ、安倍さんはそのような主張をしていたのですが、どちらかといえばメディアは「希望失速」ばかりを取り上げていたような記憶があります。
小池劇場の没落編公演、という感じですね。
自民が勝ったのではなくて、希望が負けた。
希望なんて、1ヶ月前には影も形もなかった政党が、政権選択選挙の主役を張ったわけですので、小池さん前原さんも、破れても本望というところではないでしょうか。
そういう意味では、今回は「小池三成」が熟達の「安倍家康」に完敗した「天下分け目の戦い」だったのではないでしょうか。

最初、希望の党が結党宣言を行ったときの支持率が58%。驚くべきです。つまり、「天下」の幻をこのとき、小池さんは掴んだのでした。
勝負師のカンはさすがというべきで、まさにベストタイミングだったのです。
自民党は恐慌状態に陥り、二階幹事長は「今からでも解散を延期できないか?」と首相に諮ったといいます。
ところが、この支持率の高騰が、小池さんを誤らせてしまうのです。

強気になった小池さんは「政権選択選挙」だから、という理由で「過半数の候補者」を立てることにこだわりました。
そうしますと、民進党の全議員でも足りません。
その上で左翼の「排除」を宣言するのですから、なお、候補者が足りません。
結果、民進党出身の候補者を続々と「鞍替え」し、さらに足らないところに何の経験もない新人候補を落下傘で多数送り込むという無謀を行いました。
この時点で、すでに策は破れておりました。
このドタバタぶりを見せられては、選挙民の期待が急速にしぼむのは当然でしょう。

マスコミは「排除」発言が原因だといいますが、私はそうは思いません。
マスコミは「左翼(自称;リベラル)が大好き」なのです。小池さんが右旋回をきったのが、気に入らなかった。ですので、壮絶な小池たたきがスタートしました。
もともと、風頼みで、基盤がない候補者たちです。
ひとたまりもありませんでしたね。

しかし、見方をかえてみましょう。
民進党の支持率は、安倍さんの解散宣言まで、実は4%、調査によっては2%という有様でした。(不倫問題等々の発覚直後)
ずばり「共産以下」だったのです。
あのまま、「野党共闘」でも、分裂前と同じ支持を集められたとは思いません。むしろ惨敗、前原さんの仕事は民進党のお葬式を出すことしかありませんでした。
それが、終わってみれば、元民進党すなわち立憲民主と希望を合わせると、ほぼ議席数の維持に成功しています。
立憲民主が「菅内閣」の看板の掛け替えだとは、よく指摘されることですが、それでもイメージの一新に成功しました。
それは、前原さんの「希望」の失墜劇があってこそ、です。
かくして、民進党の政治家は「生き残り」に成功しました。

選挙が終わってみれば、定数削減分が減っただけで、与野党の比率はほぼ動いていない。
現状維持なのです。
民意は、実はもっとも冷静に事態を把握していたのかもしれませんね。