2023年の第1四半期の出生数が5%減の18万2千人であったという。このままでは、年間出生数が80万人割れして70万人台(このままの推移で76万人)となる。
昨年、80万人だと言って騒いでいたが、その80万人を下回るであろう。
まさに異次元の少子化である。
しかし、その先行きはさらに暗い。
問題なのは、同じ第1四半期の婚姻数で、13万4800件であった。前年対比で14%以上下回る。
何度も指摘しているが「婚姻した夫婦がつくる子供の数」はずっと変わっていない。ただ、婚姻率が下がっているので、子供の数が減る。日本では、結婚しないで子供を産む女性は非常に少数派であるから、当然の帰結である。
婚姻数が前年同期比で14%も下がるというのは、一言でいえば「お先まっくら」である。これが会社の営業部の数字なら、担当役員が役員会で追求され、部長は顔色が真っ青になる数字である。
岸田内閣の「異次元の少子化対策」は、子供をつくった人、イコール結婚した人たちへの支援である。結婚出来ない人が増えているのが少子化の原因であるのに対して、結婚できた人に多額の支援を行うことになる。原因に対する有効な手段ではないと思う私はおかしいであろうか。
ついでに一言いっておく。
子供の養育にカネがかかるのは、つまり教育費がかかるからである。なぜ子供の教育にカネをかけるかといえば、今の世の中が「知識社会」であって、教育レベルが高い人ほど、社会的な成功のチャンスが大きいからである。
したがって、もしも今の少子化対策が実行されたら、そこで各家庭の浮いたお金は教育産業に回ることになるだろう。政府は、間接的に教育産業に補助金を出す結果になるはずである。
この結果が何をもたらすか。
子供を作った夫婦が政府の支援で子女に高い教育を受けさせることで、その子女の社会的な地位は平均的に高くなるであろう。
結婚もできず、ゆえに支援が受けられない層は、決して減ることはない。減らす政策ではないからである。
この結果、政府は公的資金でいわば「結婚できる人」と「できない人」の格差を拡大することになる。
一部の余力がある人の趣味に、結婚と出産はなっていき、その趣味に政府がカネを出すという構図に最後はなる。
で、私のような「負け組」はどうするか。
やっぱり、雌を獲得して子孫を残せない時点で、生き物としては「敗者」なので、そのような最後を迎えるほかないわけです(苦笑)
まあ、それならば、せめて命があるうちは、楽しいことをしたいと考えるわけだ。
現代の「結婚できない男」たちの胸中を思い、思わず「そうだよねえ」と納得してしまう、情けない先輩なのだった。。。