Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

AI政府

将棋の藤井棋聖が見事に王位戦を制して二冠達成。いまだ弱冠18歳なのだから、まさに将来が嘱望される。この強さだと、タイトル、まだまだ取るんでしょうねえ。

 

その藤井棋聖の2日目の指し手がAIと100%一致したことが話題を呼んでいる。

まさに「人間技ではない」わけである。

もちろん、今や将棋ソフトのほうが人間よりも遥かに強いので、その傾向は中盤から終盤では圧倒的である。

将棋ソフト>人間という前提があって、初めて藤井棋聖の凄さがわかるわけだ。

 

で、当然にこう思うのである。

チェスや将棋のような一部のゲームでは、既にAIが人間を凌駕した。ならば、無理に人間がやらなくても、AIにやらせたほうが、もっと良い分野が他にあるんではなかろうか?

 

私が真っ先に思いつくのが「政府」なのである。

なぜかというと、政府の基本機能は「税金を集めて使う」ということであり、予算計画の立案とは税収の配分計画にほかならない。計算ならば、もはやAIにやらせたほうが良いからだ。

 

たとえば、公共事業の乗数効果は、すでに1を下回っているのではないかという指摘が経済学者から出ている。10兆円の予算を公共工事に支出したら、GDPが10兆円増えるのが乗数効果=1の状態なわけだ。昔は、この乗数効果が高かった。公共工事をやれば、潤った人々がさらにカネを使い、そのカネで生計を立てる人も出てくるので、何倍かになったのだ。

ところが、今では公共事業といっても、使う資材が輸入品で現場の労働者が外国人だったりするので、相当部分が外国に流出する。経済統計から逆算すると乗数効果が1以下、という疑いがあるのである。

 

また、少子化対策もそうだ。毎年カネをかけているが、効果はなく、出生率は下がる一方でである。実は統計を見ると、日本人が結婚したあとの出生率は下がっていない。しかし婚姻率が下がっているので子供が減るのである。

ところが、欧米の場合はシングルでも子供を生むから、出生率と婚姻率の相関が高くない。ゆえに「子供が生まれたあとの育児環境」を整備すると、出生率が上がる。で、同じことを日本でやるが、先に述べたような文化的な相違があるので、うまくいかない。

これは、出生率対策を立案する人が、実際の統計よりも、欧米の「進んだ社会」に日本も近づくのが良い(シングルでも子供を生みやすい社会)というイデオロギーがあるためである。

現実には、たぶん早く結婚する人にカネをばらまいたほうが効果的なはずである。

人間は、数字ではなく、公共事業のようなシガラミや少子化対策のような思い込み(もしくはイデオロギー)で予算を配分する。だからうまくいかない。

 

よって、単に「予算の配分」と「成果」を客観的に分析し、その数字に基づいて淡々と予算作成をするAIがあれば、そのほうがうまくいく可能性が高いと思う。

計算においては、人間はAIにかなわない。

 

では、人間は何をするのか?

たぶん、国会で憲法九条をえんえんと議論していれば良いのではないかと思う。

人間が得意なのは、なんといっても神学論争だろうと思うのだ。

生産性のない仕事は、AIには不向きであろうからね。