梅雨も終わりに向かっているようで、毎日蒸し暑い。
で、今年はじめて、見てしまったのである。あの黒い、ミスターGである。
この家を新築で買ったとき、当然ながらミスターGはいなかった。
3年くらいたって出現したのであるが、わが愛猫が若い時期であり、命を全うするミスターGはいなかったのである。猫は、小型肉食獣であり、もっとも俊敏な狩人の末裔である。ミスターGなど、ただの良い玩具でしかない。発見次第になぶり殺し、バラバラ死体で発見されることになっていたのだ。
しかしながら、残念ながら、わが愛猫も年老いたのである。13歳では仕方ない。
おまけに、誰かが猫かわいがりするもので、子猫時代の放浪生活の苦難をすっかり忘れ果ててしまい、野生のかけらもなくなった。
昨夜のミスターGの出現に際して、単におびえて腰が砕けているのだった。
仕方がないので、飼い主が老猫に代わって始末した。
ミスターGであるが、我が家はすべての窓に網戸があり、きちんと点検している。どこにも隙間はない。なのに、やつらはどこから?と思って調べてみたことがある。
驚くなかれ、ミスターGの侵入経路は、その最大のものは玄関なのだった。
主人が一日の勤めを終えて、夜にようやくガチャっと玄関を開けて帰ってくる。その瞬間に、足元からすばやく侵入するのである。いかにセキュリティ堅固なマンションであろうと、やすやすと突破される道理なのだ。やつらは3億年の歳月を生き抜いてきている。ぽっとでの人間風情のセキュリティなど、笑うべき存在でしかないのだ。おそらく、欧州のNATO本部にも、北米の戦略核指令本部にすら、やつらは生息しておるに違いないのだ。おそるべし。
そんなわけで、今日はブ〇ック〇ャップを買って帰った。
これを仕掛けるのが、もっとも有効な対策だという平凡な結論に落ち着いたのである。
猫様も年をとると、こうなってしまうのである。まことに無念である。