Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

天下の名盤コンドラシン「シェエラザード」を懐かしく聴く

昨日は、自作スピーカーのツイーターのコンデンサを交換。秋月電子から、通販で買っておいたのである。今や秋葉原もオジサン世代には面白くない街になってしまったが、こうして通販で買えるようになって至極便利である。郵送料も、電車代を考えると高いものではない。ま、小さな部品であるから。

 

ゴソゴソとスピーカーを開けて、以前に取り付けていた2.2μFを、1.0μFに交換。

作業を終えて、ラックスのお古アンプにつないで、さて試聴する。

最初に、NHKーFMのアナウンスを聴く。。。良い感じである。男性、女性のアナウンスが自然に聞こえる。女性の声が少し若返るようだと、高音が出すぎである。

その後、ジャズは定番のソニー・ロリンズ「サキコロ」を鳴らす、、、最初の「セント・トーマス」のシンバル(37秒)一発で高音特性がわかる。思わず、ニンマリする。各楽器のバランスも良いようだ。

大いに安心したので、コンドラシン指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ「シェエラザード」を鳴らす。

 

この盤は学生時代から愛聴していて、これを上回る盤はないと未だに思う。

ヴァイオリンソロをコンマスのヘルマン・クレバースが弾いているのだが、これがすごく良いのである。

シェエラザードは「千夜一夜物語」で、ヴァイオリンソロはシェエラザード妃が王に「さて、今夜の物語をはじめましょう。。。」と話しかける、導入部のマクラを表す。

この音は、かぼそく、控えめで、しかし「引き込まれるように」あるべきだと思う。そして、そのシェエラザード妃のマクラに導かれて、オケが鳴り始めて、物語が始まる、、、そうあるべきだ。

ところが、世のレコード会社は、このパートをコンマスに弾かせないで、大物ソリストを呼んできてやらせる。すると、どうしてもそのソリストの演奏を強調した録音になる。大声で「さ、始めますよ、おーっほほ」というシェエラザード妃なんて、あるもんか。ただちに打ち首だろ、そんなもん。だけど、盤としては人気大物ソリストをフィーチャーしたほうが売れやすいから、そういう駄盤が横行するのだ。かくて、交響組曲なのにヴァイオリン協奏曲と化した珍演奏が跋扈するのだ。あほらしい。

 

天下のアムステルダムコンマスソリストより下手なわけはないので、見事なソロパートが、理想的に「ひめやかに」弾かれて、そのコンマスの導きに乗ってオケが歌い出す、、、これこそ、シェエラザードだよ。

 

すっかり聞きほれて、久しぶりにシェエラザードの世界を堪能して満足した。小型スピーカーだけど、まずまず、納得のいくバランスになったようだ。長年聴き込んだ愛聴盤がこんなときに一番アテになる、と思うのですね。