Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

統計でウソをつく法

「統計でウソをつく法」ダレル・ハフ。

この本は、タイトルとはちがって、ちゃんとした統計学の入門書になっている。
決して「人をだます方法」見本市ではない。まぁ、そういうふうにも使えるけど。

「統計」という、いかにも絶対的な尺度を示してくれそうなものが、いかに他人を欺くか?ということを知るのには好適の書だろう。

本書には載っていないが、こんな例だって考えられる。
家族6人の一家があった。ある日、戦争が起こり、暴虐な軍隊のために6人家族のうち、3人が殺されてしまったとしよう。
あとで、政府の役人がやってきて、生き残った三人に「あなたの家族は何人やられましたか?」と聞く。
一人目は「三人やられた!」と言う。
二人目も「三人やられました!」と言う。
三人目も「三人もです。ひどい!」と訴える。
はい、合計すると。九人やられたことになる。
この数字は、もちろん「一人一人に、正確に聞き取り調査をして判明した数字」となるでしょう。
事実、そのとおりの作業をしているわけですから。
ん?たとえがまずかったかな。。。(^_^;)架空のお話ですからね。誤解なきよう。

まあ、このように、統計の数字がいかにつくられていくかを説明しているわけである。
統計をちょっと知っている人なら思いつく「巨人軍のパラドックス」の類ですね。

書かれたのが古いこともあって、取り上げられている話題が、ややピンとこない例もあるけど、充分、本質を伝えると言えるように思う。

ただ、回帰分析、多変量解析をちょっとかじった方なら、既知の内容が多いだろうから。
統計の入門者向け。

☆☆かなぁ。
古典的名著ですね。