Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

グルメ探偵と幻のスパイス

「グルメ探偵と幻のスパイス」ピーター・キング。

前作の「グルメ探偵 特別を盗む」が面白かったので、楽しみにまっていたシリーズである。
期待に違わぬ、美味しい作品であったよ。

グルメ探偵は、長らく歴史から消えていた幻の香辛料「コ=フォン」の鑑定を依頼されてニューヨークに飛ぶ。いまや誰も知るもののない「幻のスパイス」を「ホンモノ」だと鑑定する、その情景描写は卓抜である。
さて、目出度く復活なった100万ドルのスパイスの税関検査が終わり、厳重に密封した箱をクルマに載せたら、、、不思議なことに、煙のようにスパイスが消え失せていた。
そればかりではなく、鑑定に立ち会っていたもう一人の人物が殺されてしまう。
グルメ探偵は、このスパイス消失事件を追うために、ニューヨークに滞在しながら、様々なレストランをめぐり、怪しいパーティにもぐり込み、時に命を狙われながら大活躍をするのである。

この作品の素晴らしいところは、ミステリとしての完成度もさることながら、そこに描かれた数々の料理の緒まりにも「美味しそうな」描写である。読んでいると、もうたまらん。しかも今回は舞台がニューヨークなので、各国の料理がぞろぞろと登場する。贅沢ですなあ。

評価は☆。
勿論、面白い。だけど、前作を読んでないと、イマイチかもしれないので、ま、こんなところで。読むのなら、前作のグルメ探偵登場から読んだ方が面白い。ほら、フレンチだって、アミューズがないと、前菜が盛り上がらないような気がしませんか?

最後に明かされるスパイス消失のトリックは、手品のトリックの種明かしのようなものである。「なあるほど!」テレビで良くやっている人体消失、あれはこういう仕組みだったのですなあ。タネがわかると簡単。ほら、ああいうマジックの背景は、必ず濃い色の緞帳が下がっていますよね?大いに納得したことであったよ。