Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

インドの衝撃

「インドの衝撃」NHKスペシャル編。

自粛中の読書。
文字通りの衝撃的なタイトルに惹かれて買ったのだが、既に10年前の本なんだなあ。
当時、IT産業を武器に日の出の勢いのインドの様子が描かれている。

あの国の理数系教育にかける情熱はスゴイのだが、学ぼうとする学生の熱意がなおすごい。
雨の吹きこむ塾で、大勢の生徒が詰めかけて机も不足する中、将来は国の役に立とうと志をもって学ぶ学生が今の日本にいるだろうか?
まあ、私は東京のMARCH風情というオチコボレ大学だったので、そんなヤツは見なかった。
学長が入学式で「この学校を第一志望で入った人はいないと思いますが」という、どうやら定番らしい寒いギャグを飛ばして皆が苦笑したくらいだ。

また、最後の章であるが、アメリカを向こうに回して核保有を認めさせるしたたかな外交術にも感嘆する。
そもそも、インドは核拡散防止条約に加盟していない。一部の核保有国だけが永久に核を持つという不平等条約、というのがインドの主張だったからだ。
インドが核を持つかどうかはインドが決めることだ、という原則を曲げない。
アメリカは経済制裁を発動したものの、まったく堪えた様子もない。
そのうち、中共が台頭し、アメリカは中共への牽制を考えるようになる。そのために、インドが重要になり、ついに事実上の核保有を認めるに至る、というわけである。
原則を曲げない、おそろしく粘り強いインド流外交の成果である。


評価は☆。
今やインドは押しも押されぬ大国の仲間いりだが、その雰囲気がよく現れていると思う。


ところで、今回のコロナウィルス問題で、米国のトランプ大統領は本当に頭に来ているようだ。
本日時点で、米国で死者4万人であるから、まさに戦争である。このままだと、10万人が死ぬかもしれない。
もしも中共が「お漏らし」したのであれば、ただじゃおかねえぞコラ、というわけだ。
そりゃあそうだろうと思う。
もちろん首相自ら感染した英国も憤慨しているし、あのドイツですら「透明性が必要」だと指摘する始末だ。
フランスは「厳しい質問に答えなければならない」と言っていて、このへんがEUの総意だろうな。
とすると、米国にとって、ますますインドは重要になる。
いかに中共でも、アメリカにどつかれて、EUに冷たくされ、インドに小突き回されてはたまるまい。
ま、ロシアはどう出るかわかりませんが。おそロシアだからなあ。

となると。
かつての日本のように、米国がインドに肩入れして、さらに発展を遂げるというストーリーが見えてくる。
ソ連のおかげで米国の支援を受けられた日本と同じですな。
インドは今後、さらに要注目じゃなかろうか。

さて、苦しい立場に立った中共はどうするだろう?
私は、かつての天安門のときと同じ手を使うだろうと思うのだ。
つまり、日本を使うわけである。
東洋にあって、日本は西欧との接点みたいな役割を担うことになる。
だから、わざとらしい親日的雰囲気が続くだろうな。
それをどう生かすか?
お人好しに、中共に持ち上げられて良い気になって、あとでガツンと反日運動でしっぺがえし、みたいなみっともないことは、もうやめてもらいたいもんだと思うのですがねえ。