設備点検の仕事をしている知人がいてちょっと雑談をしたのだが、最近の現場のマニュアル主義はひどいという。
某有名な一部上場企業の本社ビルだが、設備は地下2階にある。で、そこに入室するのに、安全帯をつけた姿で入室前の画像を撮って本部に送信、その後に入室をするというのだ。驚くなかれ、ここだけではなくて、その他のさらに某一部上場大企業の自社ビルでも同じ(こっちは地階だった)という。
言うまでもないが、安全帯は高所作業で落下するのを防ぐためのものである。地階でどこに落下するというのだろうか(笑)
しかし、設備点検の親会社(これも有名な一部上場設備会社)にしてみれば、もしも何か事故があったときに「弊社では、日頃よりこのように安全確認をシッカリ行っておりました」と言わねばならんのである。アリバイづくりというか、教条主義というか、責任逃れというか、、、よくわからんが、とにかく「地階で作業するのに安全帯」がまかり通るわけだ。
こんなことをやっていれば、そりゃ生産性が上がるわけもない。で、会社は「生産性が上がらないんですから、給料はあげられません」というわけだ。
なんとなく、日本社会の縮図のような気がするんですなあ。
生産性を上げるのに一番必要なのは、リアルな解決策だと思うんである。マニュアル主義じゃなくてね。だけど、それを提案する人はいない。それで「何かあったらオマエのせい」だとなる。日本のサラリーマンは、新卒で入社した会社で順当に出世するのが一番良くて、転職するたびにグレードが下がることになっている。
安全運転の着地点がマニュアル主義である。
戦後の焼け野原はマニュアルはなかった。だから高度経済成長ができたんじゃないか、と思っている。
あっという間に経済大国に上り詰めた支那もマニュアルはない。「儲からりゃ何でもいい」ぐらいの根性がないと、なかなか生産性は上がらないのかもしれないなあと思う。