Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

IPO公募価格に公取委が指摘

率直に驚いた。

新規公開株、いわゆるIPOのアンダープライシング問題を、なんと公取委が指摘したのである。

この問題は正直、今に始まった話ではなくて、ずっとそうだったので「なんで今さら?」と思わぬでもない。

日本の新興企業が低い公募価格のために成長できないのではないか、という懸念が強まっているのかな。

 

新規公開株の「初値」は、最初に公開企業が募集する「公募価格」よりも高くなるのが「普通」である。日本の場合の平均は1.5倍だそうで、これは諸外国のなかでも突出して高い。つまり、証券会社は「バーゲンセール」で公開株を売っていることになる。

主幹事証券は公開株のほとんどを捌くので、大儲けなのである。

もっといえば、この「儲かる株」を、証券会社が「大事なお客さんにハメ込む」のも公然の秘密だ。

さらに、初値が値上がり(ハネる、という)すれば、買い注文も入る。公募組はそれを見て売り出すので出来高もあがり、もちろん手数料もあがる。大商いになる。

よって、公募価格は「安くつけたい証券会社」と「高くつけたい公開企業」のせめぎ合いになる。

で、一応、市場の反応を見るために「ロードショー」というのをやる。公募前に機関投資家などを集めて、証券会社主催で説明会をやって、株購入の意向を伺うわけだ。

しかし、である。

機関投資家だって「安く買えれば、それにこしたことはない」のである。

いってみれば、証券会社と機関投資家出来レースでしかない。

公開会社側は抵抗するが、なんといっても証券会社の引受は公開審査を行っており、力が強いのである。さいごは押し切られる形になる。

ま、実は私が役員だった会社が上場したときも、当然「ハネ」ましたね。それも、かなり。

 

こんなのは「日本的慣行」で当たり前なんだろうな、と思っていたのですが、今になって、まさか公取委が「優越的地位の乱用」で指摘するとなあ。

みんな、知っていた話なのである。

どうせなら、もっと早くに言えば?と、思わぬでもないが。

このへんが、岸田政権の「新しい資本主義」の考え方が影響しているんだろうか?

すぐに、この慣行が改められるとはちょっと思えませんが、、、注目したいと思っています。