開戦後に1ヶ月以上経ったウクライナ侵略戦争ですが、なかなか停戦交渉はまとまらない様子。ウクライナとしてはロシヤに粘り強く抵抗して出血を強いることで停戦合意に持ち込みたいのですが、もともと戦力でまさるロシヤは(ウクライナとは1対10ぐらいの差があります)戦力再編をすれば、地力の差で押し切れるというヨミもあるでしょうから、停戦交渉は「やったふり」「時間稼ぎ」でいいわけでしょう。
ウクライナは停戦したいですが、ロシヤはそういうわけではない、というのが素直な見方のはずです。攻め込んでいるのはロシヤなので、ロシヤが撤兵すれば戦争はすぐに終わるわけですからね。
で、面白いのが、動画サイトとか掲示板を見ますと「戦争を起こしたのはウクライナ」「ロシヤの言い分にも一理ある」「戦争で一番儲かるのはアメリカなので、この戦争を裏で糸を引いているのはアメリカだ」というプーチン代理人兼ちょいと陰謀論者がかなりいることですね。
こういう人達は「オレはマスメディアに騙されない、真実に気づいている、オレかっけー」と思いたいので、そういう逆張りをするんですね。
戦前ですが、説教強盗というのがありました。他家に盗みに入るのですが、一通り金目のものを奪ったあとで家人をわざわざ起こして、枕元で防犯の構えについてどこが甘かったか、説教してから去っていくのです。
窃盗であれば、家人の寝てる間に盗みを働いてドロンですが、わざわざ家人を起こして説教をすることで、罪が窃盗からより重い強盗になるのです。
まったく損なこの行為をなぜするか?すでにおわかりでしょうが、これは犯人の自己を誇りたい気持ちがさせるのですね。オレはただのこそ泥にあらず、もっと知力胆力の高い人間だと誇りたい。そんな気持ちがやらずもがなの説教をさせるのです。
もちろん、盗みに入るくらいですので、生活は困窮している。
資本主義の世の中で、収入は通信簿だと考えられておりますので、低収入ということは出来の悪い人間だということになってしまいます。それを受け入れたくない気持ちが、説教強盗になったと思っております。
今回の戦争で、ロシヤの肩を持つ人も、同じ心理でありましょう。
簡単な話で、どう言い訳してもウクライナ家に強盗に押し入ったのはロシヤ男です。
そこを「お前の行いがよろしからざるゆえである」と説教かましているのがプーチンなのですが、それに同意するのは、やはり説教強盗の一味の心があるということでしょう。
(実際は、もともとロシヤ男とつきあっていたウクライナ女が別れて、今度はEU男と付き合いたいと言い出して、ロシヤ男はEU男と仲が悪いので「お前、よりによってあいつと付き合うんじゃねえよ!」とDVに及んでいるだけの話で、昔の女に未練持ち過ぎなプーチンが女々しいと思うんですけど)
私も一歩間違えば、逆張りの説教強盗しかねない男だったので、そういう人の気持もわかるところはあります。
そういう人たちに教えてあげたいのは、どうも資本主義における収入というのは、必ずしも通信簿ではなさそうだということなのです。
上場すると、他の上場企業の経営者とか役員とかに会う機会がそれなりに増える。そこで思ったのは、正直なところ、やな奴が多い(苦笑)
優秀な経営者はサイコパス説というのがありますが、まあ当たらずといえども遠からずと思いました。
それ以上に、巧みに脚色された成功ストーリーの脚色を剥ぎ取ってみれば、なんと、ただの「運が良かった」だけが大半なのです。
考えてみれば、資本主義の株式市場自体がただの博打です、本質的には。
つまり、今ついてない人、オレの価値を世間はわかっていないと思っている人の大半は「ついてない」だけなんだということ。
運を誇ろうと卑下しようと、どちらにしてもつまらん話だと思うんですね。
そう思った瞬間に、へんな呪縛は解けましたなあ。