Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

バブル·バブル·バブル

「バブル·バブル·バブル」ヒキタクニオ

 

1986年から1991年まで、日本は長期の景気拡大場面を迎える。世にいう、バブル経済である。

当日26歳の著者は、西武百貨店の展示会でチャンスを掴み、やがて汐留の大型クラブ「サイカー」のアートを一手に引き受けて確固たる地位を築く。続々と大型案件が舞い込み、それをこなす一方、毎夜六本木や銀座のクラブで一晩に初任給程度のカネを払う生活を続ける。一方で、ともに上京した彼女と別れ、可愛さでは芸能人をも上回る新しい彼女を作って結婚する。

やがて、バブルは崩壊を始める。著者とともに仕事をした仲間は次々と没落し、著者自身は離婚の結末を迎える。。。

 

 

1961年生まれの著者が、当時新進気鋭のアーティストとしてバブルのど真ん中を過ごした体験記である。たしかに、こんな感じだったように思う。多少の懐かしさはあるかな。

評価は☆。

 

著者は、バブル当時は男も女も恋愛に対して貪欲に金も使っていたのに、その後はオタク文化になり、それを食い物にする自慰のような文化になってしまったと批判する。

私自身は、著者よりも2年遅く産まれたこともあってバブル時代は駆け出し時代であり、あまりダイレクトに恩恵があった時代とは言えない。むしろバブル崩壊以降の不況時代のほうが思い出がある。

バブルを懐かしむ気持は、昔は良かった類の老人の繰り言に近いと思う。恋愛中心の消費活動を礼賛する気持もない。恋愛は厳しい自由競争の世界で、勝ち組負け組のハッキリしたゲームである。持ち上げる理由を感じないのだ。ま、たぶん、私が大いに負け組だったことが大きいかな(笑)

 

自分なりに、人生を楽しく過ごす術を見つけるほうが良いと思うのだ。