Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

時代を間違えると悪徳

昨日に続いて、話題騒然のビッグモーターですが、実はこの会社も(株)武◯野の◯山社長のコンサル先なんですね。

世間的には(株)◯蔵野の小◯社長は、例の北海道の知覧遊覧船事故(カズワンの沈没事故)で有名になった人です。

 

で。ここから、ごく個人的な回想談に入ります。

実は、私は前職で、この会社にシステムを納品したことがあり、この社長さんとも何度かお会いしてお話したことがあります。一言で言えば、とてもパワハラや体育会系の匂いとは無縁の人で、どちらかといえば穏やかな少しインテリタイプの人です。当時は、まだダスキン専業で、そのダスキンを立て直したことで経営手法に自信を持ち、これからコンサル業に打って出る、という話でした。

そのダスキン事業について、社長はこう話していました。

「とにかく人材は最低。まともな格好をしているやつが一人もいない。髪は黄色で時間は守らない、言うことはきかない、ある日突然来なくなる。集金を持ち逃げするやつまでいた」と。

その会社を立て直すために、社長は方針を立てます。それは、とにかく社長の言うことをそのままやらせることでした。最低レベルの人材に「考える」という行為は不要である。一挙手一投足までせんぶ指示する。それができないやつは、辞めさせる。それで事業が回らなくても、指示を守れないやつは害悪だ。そっちの排除が優先だと。

そうして数年して、ダスキン事業は利益を出せるようになったのです。商談中に印象的だったのは、当時ボイスメールを愛用していて、社長がなにか吹き込むと全員1分以内に折り返しがくることでした。ここは自衛隊かと思った(笑)

この(株)武蔵◯の成功体験が、そのままコンサルとしての指導原理になっていると想像しています。末端社員には何も考えさせず、服従のみを要求するというのが原理なんですね。

それに多くの中小企業が飛びついた。コンサル会社として一大勢力をつくっていったわけです。

 

私は思うのですが、このような「部下の能力や自主性をまったく期待しない」スタイルは、ビジネスのスキーム自体が固まっていた昭和の時代を引きずった中小企業には良かったのだと思います。世の中全体が成長していたとき、とにかく他社よりも努力すれば伸びるわけです。しかし、今は令和の世の中。成長分野は限られており、なにかユニークな商品サービスがなければ、とても生き延びていくことはできない。それでも、オールドスタイルのままで利益を出そうとすればどうなるか?どこかで無理をする。それが従業員か、あるいは遊覧船の整備のような設備投資関係か、というだけの話のような気がします。

 

かつて、有効だった手法なんでしょうが、時代が変われば、むしろ害悪だ。

私はビッグモーターのような企業は、すでに存在そのものが悪だと思います。

おそらく、(株)武◯野のコンサル先の企業には、まだそんな時代を間違えた中小企業がたくさんあるのではないかと思っています。