Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

敗因分析。

小泉自民党は、大勝利しましたね。
でも、勝ったのは、ホントは「自民党」じゃなくて「小泉」という一政治家だろうと思うのですが。
(それは、たぶん次回選挙で明らかになることなんでしょうが)

さて、野村監督いわく「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負け無し」
つまり、戦いというものは、勝因分析は難しいが、敗因分析は容易だということなんですね。
ほら、大東亜戦争だって「日本の敗因」はつまびらかに説明する論客が多いですが「米国の勝因」を説明する人は少ないでしょう?え?「米国は物量があったから」戦争って、簡単なんですねぇ(笑)
それなら、日清日露の両戦争で、日本は負けてると思いますがね。
(「日本には正義がなかった」なにをかいわんや。勝った方に「正義があった」と決めるんなら、こんな気楽な分析はない道理ですなぁ)
かくのごとく、勝因分析とは難しいものであります。

さて、してみますと、今回の野党の敗因は何でありましょうか?
「小泉の劇場型選挙にやられた。郵政一本化作戦にはまった」というコメントが多いですね。
これを見て思うわけです。
この分だと、次回の選挙も、かなり野党は苦戦するだろう、と。

つまり。簡単に言えば「劇場型選挙」という批判は、「国民はバカだ」と言っておるのとイコールなわけです。自分たちは、正しい政策を訴えたのに、国民がバカだからだまされているのに分からなかったのだ、という分析をしているわけです。
さて、この敗因分析で、次回にいかなる展望が開けましょうか?
バカな国民が、何年かすると利口になりますかな?(笑)
してみると、野党はずいぶんお利口さん揃いということになります。
そんなに利口な人ばかり揃っていて、なんで負けたんでしょうか?
国民がバカだから、と言うだけで済むのなら、私にだって政治ができます(笑)

私が見るのに、3つのポイントがありました。バカなアタマで考えたことです(笑)

第1に。
小泉首相は「特定郵便局長会」という「利権と集票組織を切って」改革を訴えました。
国民が支持したのは、その「姿勢」です。刺客は、郵政利権との縁切りをする上で、必要でございました。
対して、野党は、最後まで「過去のしがらみ」を切ることができませんでした。
郵政改革案は、結局、公務員と郵政労組を守るためのもの、と思われてしまいました。郵政民営化反対は、その点で議論の余地がありませんでした。
野党には、争う「事実」がありませんでした。
小泉首相は、郵政既得権益との決別、という「事実」を出しました。
国民は、言葉だけでは信用いたしません。
これが、第一の違いです。

2点目に、小泉施政4年間の信任がありました。
決して、満点の出来ではないでしょうが、しかし、もしも小泉施政がすべて「間違ったもの」なら、国民は今選挙で、何を言われても信用しなかったでありましょう。その意味で、争点は郵政民営化でしたけれども「小泉を代えなければダメだ」もなかった、と見ます。期待がなければ投票しません。
一方の野党は、郵政法案に対する対案提出が解散後であったことが物語るように「単なる批判勢力」となっており、そのくせ「政権交代」はムシが良すぎる話でございました。

3点目に、国民の民度だと見ます。
大手マスコミは、小泉首相の「自爆解散」「わがまま解散」と呼び、選挙戦が終盤に近づくにつれて「郵政だけで政権を決めて良いのか」と繰り返し放送いたしました。
ところが、首相もぶれませんでしたが、国民は更にぶれませんでした。
これだけ、マスコミの操作が効かなかった選挙もないのではないでしょうか?
(左翼の方々は、マスコミは与党の方針ばかり放送する報道統制があった、と言っているみたいです。同じものを目にして、いかに人が違う印象を持つか?という好例ではございましょう)
先頃、米国のハリケーン被害では、被災地で略奪、強盗が多数出現していたようです。一方、日本では震災、水害等さまざまございますが、被災地住民は、粛々と各自が助け合って生きていこうとします。
日本国民の民度は、私たちが誇りにして良いものだと思われます。

今選挙でも、投票率は残念ながら70%を割っております。それでも高いそうですが。。。
おおざっぱに申しまして、1/3は投票しません。
逆に言いますと、この「投票に行く層」は、たいへん高い政治意識をもっていると見てよいでしょう。
その国民から、野党の政策が「実行の伴わない空論」だと見られたことは、敗北側にとっては大問題だと見ねばならぬ、というのが道理でございましょう。

であるのに、敗因を「国民がバカだから」と言っておられるわけです。さて、では、この地上のどこに、あなた方の考える「利口な国民」のいる国がございましょうか。

さらによけいなことでございますが。
良いことは「自分たちの功績」悪いことは「他人がバカだから」という考えで、いかなる政治ができるものか、私なぞは想像力に乏しいですから、とんと見当がつきませぬ。
国民のバカさ加減をあげつらう前に、もう一度、反省なすってみてはいかがであろうかと、よけいな心配なぞを、ついついしてしまう次第です。

民主党のCMでございますが、岡田党首は画面向かって左側、すなわち「下手」に歩いてましたね。政権を取りに行くなら「上手」に歩かなければならない。その程度の助言をする人もいなかったのですかね?それとも、芝居などの文化には、全く興味がございませんでしたかね?郵政以外にやることには、年金は入っておりましても、日本の伝統文化の理解は含まれておりませんようで。すぐに気がついたのですが、選挙期間中ゆえ、指摘を控えさせていただいた次第です。

以上。
バカな国民の一員として、世迷い言を並べてみました。
失礼いたしました。