Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

愚者の愚問

私は、国際政治とか軍事の専門家でもなんでもないのであって、とにかくアタマの上に北朝鮮の贈り物が落っこちてくるのはイヤだと考えている市井の一中年独身男である。

で、関連のテレビを見るともなしに眺めているのであるが(アタマの上に落っこちそうになったら、ムダでも逃げる算段だけはする)私は愚民であるから、愚問がわき起こるのである。

つまり、一方では
「かかる事態を招いたのは、アメリカの北朝鮮に対する金融制裁が原因である。追い詰められた北朝鮮は暴発したのである」
というわけである。
もう一方で
経済制裁をやっても、各国協調せねば効果がない。日本だけ力んでみてもダメである」
というのである。
愚民には、さっぱり理解できぬ解説である。

私の理解するところでは、「金融制裁」は「経済制裁」のなかでも初手というべきものである。相手国の金融資産の凍結というのは大東亜戦争でも米国が初手に使った手であって、そのあと日系人の収容所送り、石油全面禁輸(ABCD包囲網)、開戦、通商破壊、無差別撃沈と進むわけである。

米国はマカオ北朝鮮と関連ある銀行の金融資産を凍結し、この銀行と取引のある銀行に自粛を呼びかけただけである。それで暴発である。辛抱が足らん、なんとも早撃ちなことではないかな。

このように米国一国による金融制裁が効果を上げたのであれば、経済制裁は貨幣だけにとどまらず物資全般にわたって実施されるものであるから、さらに効果があると言うべきである。つまり、一国だけが実施しても、今日の世界は狭くなっており、それで充分に多大な影響を与え得ると理解すべきだと思うからである。
もっとも、そうするとかえって窮鼠猫を咬むの喩え通りの事態も予想されるべきで、それはそれで憂慮すべきことである。

一方、一国の経済制裁なぞ役に立たぬという立場であれば、米国一国の金融制裁という限定的な方策が今回の原因である、という指摘は大きな矛盾と言うべきである。一国の経済制裁では役に立たぬのに、物資ではなく貨幣だけを押さえる金融制裁のみではいかにも効果を上げ得ぬと言わねば、理屈は通るまい。

しかるに。
マスコミ報道を見ていると、どっちの見解も流されており、まったく、さっぱり訳が分からない。この二つは矛盾すると思うのは、おそらく私が愚民であるからであろう。

ただ言えるのは、とりあえず私は自衛隊と米軍を心頼みにしている、という点である。そうでなくば、ここでノンビリ、ブログなど書いている場合でもあるまいよ。残念ながら、どうも世界は「平和を愛する諸国民」ばかりで成立しているわけでもないらしい、と、実感することができたのは良かったと言うべきだろうか。

緊迫した情勢であるというのに、相変わらずそんなことばかり考えている。我ながら、呆れ果てる次第である。。。