地震

つい先ごろ、仕事の都合で何度か佐渡に行った。
生まれて初めてだが、行って驚いた。実に美しい島であった。たんぼ、山、人々の町並みもすべて美しい。夢のような風景であった。たんぼからは、野生のキジの雄が美しい姿で挨拶さえしてくれた。
島内にはたくさんの神社があり、そこここに神々がお住まいになっていらっしゃる気配すら感じた。
島の人々は篤実で、島が大好きであるようだった。島を褒めると、皆さんが大変うれしそうになさる。会話の中に、普通に「神様のおかげ」「仏様の縁」が出てくる。神仏が一緒に暮しているような感じがあった。
私は、すっかり佐渡が好きになってしまった。
「東京から定年後に、移り住んでくるかたがたもいるんですよ」
なるほど、自分だってそうしたい、そう思ったくらいである。

今日、大きな地震が新潟であった。
天災には、悲しいかな人間の力は及ばぬようである。特に、水の不足は深刻なようだ。

すばやい自衛隊の出動で、徐々に救助の手は差し伸べられているらしい。ありがたいことである。

佐渡にも一部、被害が及んでいるらしい。たいへん心配である。
被害にあわれた方には、まことにお気の毒である。家をなくした方は、そのお困りはいかほどであろうか。中には死傷なさった方もいらっしゃる。言葉もない。

何もできるわけではないけど、とにかく今の難局を乗り越えていただけるようにお祈りするばかりである。

ふだん「政治ですべて解決するわけじゃない」などと、しらけたことを言っている私も、こうなれば政治にがんばってくださいとお願いするほかない。
まったく反省しきりなのである。