Single40'S diary

「40過ぎて独身で」と言ってる間にはや還暦のブログ

一度も植民地になったことがない日本

「一度も植民地になったことがない日本」デュランれい子。

このタイトルは間違いだね。だって、今、すでに植民地じゃないか(笑)という皮肉はさておいて。

このタイトルは、インドネシア人からの質問に答えたときに、非常に驚かれたエピソードからつけられたもの。「かつての宗主国はどこですか?」「日本に宗主国はありません」
だけどね。1945年からGHQに箸の上げ下ろしまで指図された国の「宗主国がない」は、皮肉抜きで歴史的に正しいのか、ちょっと疑問を持たぬでもない。植民地の総督と、連合軍総司令官の違いはどこにあるんだろう?私にはよくわからない。

本書は、欧州人と結婚し、南仏に暮らす著者が、欧州から見た「不思議の国ニッポン」を書いた随筆。
ま、エッセーであって、あまり額に皺を寄せて論じる類の本ではない。

評価はナシ。駄本である。もっとも、夏の暑い中に、何も考えずに読むにはちょうど良いかもしれないけど。

本書にもあるけど、911テロのとき、欧州新聞の見だしは「KAMIKAZE!」だった。おそらく、今だって自爆テロを「カミカゼ」と呼んでいるのかもしれない。困ったものである。この「KAMIKAZE!」には「理解不能な(蛮)行」という意味があるようだ。
私に言わせれば「民間人」のさなかで吹っ飛ぶ自爆テロを、軍艦(軍隊)相手の特別攻撃と同じに論じられては、英霊に申し訳ないと思うのである。
なのに、日本人には「民間人のさなかで吹っ飛ぶ自爆テロ」に肯定的で、「軍艦相手の特別攻撃」は「愚行の極み」と批判して、まったく矛盾を感じない人達もいるようだ。どちらも「米帝への戦い(苦笑)」には違いないのだが、1カ所、明確な大きな違いがある。「自爆テロ」はまだ負けていないが、「神風」は負けたということである。今、「自爆テロ」を称揚してアメリカを批判する人たちは、もしもイスラムが負けたら、ただちに「愚行」だと非難をはじめるのだろう(笑)それはそれで論理的な判断であるけど、少なくともロゴスの徒とは言えないな。

欧州はアメリカと一つではないし、欧州自体が一つでもない。EU憲法を批准できない国だってある。日本は欧州と同じになる必要もないし、アメリカと同じになる必要もない。もっといえば「世界は一つ」ではない。いろいろあるのであって、いろいろあって悪いことは一つもない。よくよく考えれば「世界は一つ」なんて、究極の独裁制、一種のファシズムに違いない。
白人がなにか言えば、皆が「なるほど」なんて言うのは、いい加減に止めてもいいんじゃないかな、と思うね。


それにしても毎日暑い。ビールを飲み過ぎると、おなかの調子も悪くなる。みなさん、お互いに気をつけましょう。